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2014年11月23日01:40

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『インターステラー』

インターステラー

 常に挑戦し続ける監督クリストファー・ノーランが今回挑んだのは、かつてのような壮大なSF大作。
そこには偉大な作家たちへのオマージュが感じられる。

 環境が悪化し、食糧危機が訪れる近い将来の地球。
人類の存亡をかけて、わずかな希望を乗せた宇宙船は“第二の地球探し”の旅に出る。

 ノーランの愛とこだわりが感じられる映画だと思う。
まず思うのは『2001年宇宙の旅』へのリスペクトであろう。
ストーリー的にも、このデジタル時代に模型を作ってフィルムでの撮影という点からも伺える。
補佐するアーティキュレイテッド(多関節)・マシンのデザインもどことなく<モノリス>を思わせる。
他にも『未知との遭遇』や『エイリアン』といった“古典”SF映画のエッセンスを感じ取ることも容易だ。

 2時間49分の上映時間は「長いかな?」と心配したが、実際に始まれば長さは感じさせない。
そういう点はさすがだなと思う。
地球から銀河系外に旅をするのにブラックホールを使うのはSF世界においては珍しいものではないと思うが、ブラックホールそのものの映像表現は新しい印象を受けた。
何でも最新の<ブラックホール理論>なのだとか…。

 ブラックホールの近くでは時間の流れが遅くなるという地球時間との差については星野之宣の『2001夜物語』に似たようなエピソードがあった気がしたが、違ったかな?詳細は失念。
(いずれにしろ彼の作品を思い出した。もっとも彼自身が『2001年宇宙の旅』に影響を受けているのだが…)

 圧倒的なビジュアルの力で押してくるが、やはりSFは画像が大切。
終盤になるとSFというよりスピリチュアルかと思われるシーンが登場するが、最新の科学ならギリギリあり…なのかもしれない。多少ムリがあったとしてもフィクションに仮説は大切。
(この辺は製作総指揮にも参加している理論物理学者キップ・ソーンの存在もかかわっているのだろう。)
家族愛と人類愛…ともに愛でくくられるが、そこに違いはあるのか?
小乗的な自我を乗り越え、自己犠牲をいとわない姿に素直に感動する。

 将来性の乏しい地球、閉塞感ある地球の姿は現在の映画界についての認識なのじゃないだろうか。ノーランの昔ながらの製作方法は風穴を開けることができるか?
近年のノーラン作品といえば、音楽はハンス・ジマー。本作も信頼感に答える安定感ある仕事ぶりに感服。

 ところで、気になったことが一つ。
この映画の重要なキャストの一人が公式サイトにもパンフレットにも掲載されていない点だ。
存在そのものが秘密なんだろうか?あせあせ(飛び散る汗)

フォト


先ごろの『ゼロ・グラビティ』の成功を見ても、本作が3D製作されなかったのも不思議なくらいだが、そこも往年の名作たちへの敬意の表れなんだろう。

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