日本人の同僚との付き合いも骨が折れる。日本的価値観を振り回す人が結構いる。私にいわせれば,イスラム圏に日本的価値観を振り回しても仕方がないとしか思えないのですが……。そんなとき,私はトボケルことにしています。しかし,疲れます。
ラマダンに対する苦情はともかく,マレー人に対し
「彼らは自分たちは天国にいくが,イスラムでない者は天国に行けないと思っている」
と驚く人がいる。私に言わせれば,イスラムの教義からするとそりゃそうだ。彼らの宗教的価値観からすると,日本人は,偶像崇拝を行う野蛮な人種のひとつにしかすぎない。これは,キリスト教徒に対しても全く同様。困ったことに「イスラムを知らない/理解できない」という自覚が全くないのです。
そんなとき,「私は,信長ですから」と答えることにしています。
イスラムとキリスト教の対立には,日本人には知りえない根深いものがあります。この対立は,十字軍に始まるのではありません(大部分の日本人は誤解している)。大部分の日本人は,殆ど意識していませんが,今のイスラム圏は,以前は,そのほとんどが,キリスト教圏でした。といっても,今に残るローマンカトリックの系統(いわゆるアタナシウス派)ではありません。東方教会とよばれる教派の領域でした。世界史で習うところの”景教”,すなわち,キリスト教ネストウリス派も東方教会のひとつです。いまでも,エジプトやシリアには,少数派ながら,東方教会が残っています。エジプト,シリア,イラクなどで自爆攻撃を受けているのは,この東方教会です。
近くに,このようなことを話せる人がいればいいのですが,いないので,フラストレーションが高まっています。
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