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2014年01月29日01:45

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『オンリー・ゴッド』

オンリー・ゴッド

 『ドライヴ』の監督・主演コンビによる期待の作品だが、がらりと打って変わり難解な作品。
共通するのは寡黙とスタイリッシュな画面構成か…。
ニコラス・ウィンディング・レフン監督は<神>を扱うのに映画の始祖とも言うべきスタイルを採用したのだろうか、ここではサイレント映画の色彩を<赤・青>に置き換えたようにも思える。

 あまりに説明が少ないために人間関係や人物の背景をつかむまで手間取る。
チャンらの仲間が警官のユニフォームを着ているため現役警官かと思っていた。
「タイの警察から苦情が来ないのか?」と心配になったほど。(苦笑)
チャンが“元”警官と知り合点がいったが、それならそれで本来の警察は機能していないのか疑問に感じるのだが…。

 しかし、なぜ邦題は『オンリー・ゴッド』で終わりなの?(原題はOnly God Forgives)
その後に続くforgivesが大切なフレーズなのでは?
それはさておき許しを与える<ゴッド>とは誰なのか。
具体的に目に見えない存在をさすのか、それともタイの裏社会を牛耳り法を超えて裁きを与えるチャン(ヴィタヤ・パンスリンガム)こそ”その存在”ということなのだろうか?
その意味で言えばジュリアン(ライアン・ゴズリング)にとっては母親(クリスティン・スコット・トーマス)もまた同様の存在なのだろう。

 ジュリアンは非情な神々の争いに巻き込まれた哀れな子羊なのだろうか。
復讐の連鎖を断ち切らんがための行動も<赦し>を得られない不条理。
なぜそこまでチャンが絶対的な力を持ちえたのかも不明だし、単純に腕力だけなら薄っぺらな理由付けに感じてしまう。
裁きを与える<神>を裁くことは出来ないのか?
冷徹なまでに無表情のチャンにわずかな変化が感じられたことが吉兆であらんことを祈る。

 ライアン・ゴズリングには寡黙な役柄は似合うものの、事件の発端となった兄、被害者の父、傲慢な母クリスタルや元警官チャン…と誰にも共感はしづらい。冷や汗
バイオレンスの激しさやスッキリしない話からも好みは分かれるだろう。
色彩・音楽が一体となった掴みどころのないトリップ感にクラクラする。

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