mixiユーザー(id:11939455)

2013年09月28日00:57

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『凶悪』

 マイミクさんが激賞していたので、スルー予定だった『凶悪』を観に…。
たいてい正規の値段じゃなく、サービスデーとか金券ショップなどを活用し割引料金で見るようにしているのだが(だって日本の映画鑑賞料金は高いんだもん!)、見ようと思った新宿地区の金券屋やチケット店ではいずれも売り切れなので、久々に1800円だして見ることになった。ふらふら


凶悪

 実際に起きた事件を取材した新潮45編集部編『凶悪 -ある死刑囚の告発-』を基にした社会派サスペンス映画。
冒頭から硬派な匂いがプンプン伝わり、じんわりアドレナリンが出始める。

 まずは主演3人のキャスティングが良い。
怪物を思わせる暴力団組長<須藤>にピエール瀧、先生と呼ばれる妖怪のような不動産ブローカー<木村>にリリー・フランキー、真実を追求するジャーナリスト<藤井>に山田孝之
それぞれ特長を生かした三者三様の顔つきが良い。指でOK

 誰もが主役になりうる立場だが、素直に記者目線で語られたのは納得するところ。
事件の全容を手繰り寄せるように須藤の手記が丁寧に再現されてゆくドラマに引き込まれてゆく。
実話がベースとはいえ、表現は映画のものだろう。
その意味で滑稽とも思える殺人風景は逆に背筋が凍りつくようでもある。

 また、原作にはなかったであろう藤井の家庭の問題を盛り込むことで深みと面白みがグンと増している。仕事バカとなり家庭を顧みず事件にのめりこむ藤井の後姿を妻(池脇千鶴)が的確に表現したセリフにドキリとする。
須藤、木村という犯罪者と比べ、正義を振りかざす藤井の闇こそ人間の持つ普遍的なもので、共感ポイントとして落とし込まれたいるのではないか。
刑法に触れないまでも身勝手な振る舞いという意味では、誰しもが<凶悪>になりうる素地を持っていると気づかされゾッとする。

 自分には絶対ないと完全否定できる人はいるのだろうか?あせあせ(飛び散る汗)

フォト


 どうやら長編二本目という白石和彌監督の今後は注目しないとならないようだ。
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