『
シャドー・チェイサー』
映画には二種類ある。
予想を裏切る映画と裏切らない映画。
さらに裏切られ方にも二種類の分類ができる。
良い裏切られ方と悪い裏切られ方。
さて、これはどっちなのか。(笑)
まず目に付くのは『インモータルズ』で主演を務め、来年公開予定の
新スーパーマンに抜擢されたヘンリー・カヴィルやブルース・ウィリス、シガニー・ウィーヴァーといったビッグネームが並ぶこと。
これは期待したくなるキャスティング。しかもシガニー・ウィーヴァーは新鮮な役柄に挑戦しようとする意思も感じる。
舞台はスペイン、アメリカ人一家がそこで事件に巻き込まれ<家族の秘密>を知る羽目になる主人公が敵か見方か分からない相手と戦うというスリリングな設定。
あくまで設定。
<秘密の暴露>がキーワードであろうか。
ワタクシのような凡庸なオツムでは考えもつかない意外な顛末にポカーンとなり、思わず「ありえねぇ」と叫びたくなったが、他の人ならまた受け止め方は違うのかもしれない。
ともすると<とんでも映画>の仲間入りしそうにも思えるが、概要だけ見ると現実社会の経済面を投影しているかに思えて興味深い。
ギリシャに続くユーロ圏の不安要素といえばスペインもその一つに上げられよう。
そこでは<敵味方が不明>な状態なんだもの、笑わずにはいられない。
もちろん表面的にはそんなシーンは見られず、冒頭から息つく暇がないほどのスピーディーな展開で<ボーンシリーズ>に倣ったようなカーアクションがこれでもかとフィーチャーされる。
普段、定番映画を見て「思った通りの普通の出来だった」と嘆くこともしばしばだが、それって実はとても贅沢な悩みだったのかもしれない。“普通”の素晴らしさに気づかされる映画。
試写会@なかのZERO大ホール
10月27日より公開
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