評論家兼ジャーナリストの立花隆氏の講演を聞きに立教大学池袋キャンパスに行った。大学が主催しているのでもちろん無料。そこに行くのは初めてだったが、歴史を感じさせる、落ち着いた古さが心地よかった。
さすが立花隆氏。二百名ほど入る階段教室はほぼ満員だった。
演題は「セカンドステージとともに」。
立教大学は五十歳以上を対象に、カルチャースクールとは一線を画した、ワンランク上のカリキュラムを組んでいる。それがセカンドステージ。
九十分の講演の半分近くがそれの意義深さの説明だった。笑いを取りながらの楽しい話ではあったが、ジャーナリスティックな話を期待していたぼくは戸惑ってしまった。
だが後半は立花隆氏の面目躍如。ジャーナリスティックというよりアカデミックな話になった。
具体的には宇宙の話である。
ここ一年ほど、宇宙の謎について書かれた本が次々に出版されているが、それは今まで分らなかったことが解明されつつあるからだ。「ケプラー」という探査機のことや、「ドレイクの方程式」、「TMT計画」、「系外惑星」、「グリーゼ581」など、専門的なことを素人にも分るように説明してくれた。しかも面白く。
この「素人にも分るように説明」するって、高度なことだとぼくは思う。
学者って、学者にしか通じない専門用語を当たり前に使うので、どんなに熱心に語ってくれても全然分らないということが多い。
その点、立花隆氏の話に不明瞭なところはなかった。むろん、その話で宇宙の謎が解けたわけではない。だが、どういうふうに謎なのかがすっきりと理解できた。
本人も興に乗ったようで、結局三十分オーバーして二時間の講演となり、盛況のうちに終了。
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