ぼくの部屋はかなり殺風景なのだが、それでも少しは彩がある。たとえばこの魚拓。
北海道道東にある斜里川でぼくが釣ったアメマス。
魚拓にしてくれたのは御年七十六歳の登山仲間のリーダーである。ぼくの登山に関する知識、技術はすべてこの人から教わった。
その人を筆頭とする「月夜の会」は、十年ぐらい前まで、一週間ほどかけて北海道にもちょくちょく行っていた(五年で四回)。利尻富士、大雪山(二回)、斜里岳などを登りつめた。観光名所には目もくれず、沢を登り、釣りや焚火を楽しんだ。満天の星空を眺めながらのビールのおいしさを忘れることはないだろう。
常々リーダーから「尺(30センチ)イワナを釣ったら魚拓にしてあげる」と言われていたのだが、斜里川にてついにゲット。イワナではなかったが。
釣った場所は石がごろごろと転がっているようなところなので最低限の処理だけして、後日、目や斑点を書き足してくれて完成。魚拓なんてレベルのものじゃなく「作品」に仕上げてくれた。
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