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2011年05月06日10:50

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図書館の映画上映会

 レンタルビデオが一般的になったのは、ぼくが高校を卒業した昭和五十六年以降のことである。それまでは「ぴあ」で観たい映画を見つけると、横浜だろうが国分寺だろうが、出かけて行くしかなかった。放課後、早稲田松竹に駆けつけて『遠すぎた橋』や『がんばれベアーズ』や『ペーパームーン』を観たし、八重洲スター座に足を運んで『スティング』や『ロッキー・ホラー・ショー』を楽しんだものだ。
 そのように、観たい映画がいつ観られるか分らない時代を通ってきたぼくからすると、図書館の上映会というのは、もっと評価されていいシステムに思えてならない。映画はできれば劇場で観賞したいと思っているので、その点からも図書館の上映会は理想に近い。無料だし。
 家でゴロゴロ寝そべり、電話や宅配便に中断されながらのDVD観賞を否定するつもりは毛頭ない。外界から遮断された劇場という空間によそ行きの服を着て出かけ、適度な緊張感を持って観賞するというメリハリが個人的に好きなだけだ。
 仏子駅から徒歩三分の入間市立図書館西武分館は、図書館上級者のぼくから見てトップクラスだと断言できる。

フォト フォト

 通常、図書館の上映会場は平面の視聴覚室にパイプ椅子を五十脚ほど並べるだけだ。かつて住んでいた浦安もそうだった。だが西武分館の視聴覚室は違う。ご覧のように平面ではない。段差がある。築十年ぐらいしか経ってないので古臭さとも無縁。ちょっとした自主上映館よりいい環境が整っている。今はなき池袋の「ル・ピリエ」という自主上映館なんて、館内の中央付近に太い柱が床から天井まで突き抜けていたため、席によっては体をひねって柱をよけなければならなかった。だから二年前に西武分館の視聴覚室を初めて見たときは感動すらした。ちなみに「ル・ピリエ」で観たのは『街の灯』、『太陽がいっぱい』、『異邦人』。
 ただ、この素晴らしさを理解している入間市民はほとんどいない。それはそうだろう。他を知らないのだから。ぼくだって他の図書館を知らなかったらこれを当たり前だと思ったことだろう。だが入間はむろん、江東区、文京区、中央区、千代田区、豊島区、所沢市の図書館を使い分けているぼくには西武分館のありがたさが瞬時に理解できた。
 そういうわけで、月二回の上映会にはたいてい顔を出している。ここ三カ月に観たのは『バルカン超特急』(ヒッチコック)、『終着駅』(ジェニファー・ジョーンズ)、『夏の嵐』(ヴィスコンティ)、『地下室のメロディ』(ジャン・ギャバン)、『現金に手を出すな』(ジャン・ギャバン)、『シラノ・ド・ベルジュラック』(ホセ・ファーラー)、『落ちた偶像』(キャロル・リード)。
 みなさんの地元図書館でも上映会はあるはずなので、一度チェックしてみてはいかが?

 あー、初めて地元を宣伝できた。

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