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2011年04月11日09:52

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バーテンダーのコロンボ

 ぼくにとって観る映画を選ぶときの基準は監督である。それだけではないが、監督が誰なのかはかなりの比重を占める。『アバター』なんて、劇場で予告編が始まったときは「あんな怪獣映画は興味ないもんね」と思っていたが、監督ジェームズ・キャメロンの文字を観たとたん「絶対に観なければ」と固く誓ったほどだ。
 出演者には左右されない。トム・クルーズだろうがレオナルド・ディカプリオだろうが、彼らが出演しているという理由だけでは観る気にはならない。
 ただ一人の例外がピーター・フォーク。言わずと知れたコロンボ刑事だ。
 中学生のときに初めて『刑事コロンボ』を観たときのショックたるや、ちょっと言葉では言い表せない。何しろミステリーでありながら、最初から犯人が分っているのだ。というより、犯人を主役に据えた構成になっている。じっさい犯人役はハリウッド・スターが多く、役柄も、職種は違えど社会における成功者ばかりだった。それが最後にはヨレヨレのトレンチコートを着たコロンボにしてやられるのだ。ぼくは脚本の鮮やかさとピーター・フォークの個性に強烈に惹かれた。決してカッコイイわけではない。だが愛嬌があり、知的で、そしてユーモラスだった。小池朝雄の吹き替えも見事にハマっていた。
 以来、ピーター・フォークの出演作は意識して観るようになった。『ポケット一杯の幸福』『グレート・レース』『ハズバンズ』『名探偵登場』『ブリンクス』『名探偵再登場』『カリフォルニア・ドールズ』『ベルリン・天使の森』。『ハズバンズ』以外はどれも文句なく面白い。『ブリンクス』と『カリフォルニア・ドールズ』がDVD化されていないのが不思議なぐらいである。ちなみに『グレート・レース』はのちにアニメ化された。それが『チキチキマシン猛レース』である。そしてピーター・フォークの役は、あのケンケンに当たる。
 そんなピーター・フォークが二十年近く前に出演したサントリー・オールドのCMを発見した。シリーズもので、四作ほどあったと記憶しているが、一番好きなのがこれ。セリフも丸々覚えていて、応用して今でもときどき使わせていただいている。
 


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