友人のボイス・トレーナー、ケンチャンのライブがマーキーで開催された。といっても、本人は大トリで一曲歌うだけで、その前に彼のレッスン生が歌う、むしろそっちがメインの企画。
三十人近くのミュージシャンの卵たちが、入れ替わり立ち替わり、一曲か二曲だけ歌う。オリジナルありカバーあり。年齢的にも二十前後で、四十人ぐらいのお客さんも、いかにも友人や身内。学園祭のような雰囲気がある。
だが、みんなトレーニングを積んでいるだけのことはある。ぼくから見て二人はいつデビューしてもおかしくないぐらいうまかった。
そして最後のケンチャンの歌にはブッ飛んだ。いつも登山仲間が集まるときなどに気軽に歌ってくれるが、ちゃんとしたステージでその気になったときはスイッチが入るのだろう、声量から細かいビブラート、立ち居振る舞いに至るまで完璧で、ミュージシャンの卵たちをぶっちぎっていた。レッスン生も「さすが先生」の感を深めたことだろう。
だがそういうことよりも、ぼくが彼に惹かれるのは、こうやって卵たちの発表の場を手作りで作っている姿勢である。
いつかマーキーで鍛えられた卵たちがモジョに出演する日を待ちたい。
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