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2011年02月28日12:16

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復活!桑田佳祐

 NHK「復活!桑田佳祐ドキュメント」を見る。去年の七月に癌が発見されアルバム製作を一時中断、半年後についに完成させるまでを追ったドキュメンタリー。番組の構成としては、まあ、よくあるパターンだった。つまり、桑田へのインタビューを中心に、癌との闘いやその経緯が語られるという構成だ。アルバム視聴会に桑田がサプライズで登場、会場に詰めかけていた観客が涙ぐむシーンなんかもあって感動的にもなっていた。
 ファン歴三十年を誇るぼくはクールに、スタジオライブがあるだろうと、そっちを期待していた。実際、『現代人諸君(「イマジン・オール・ザ・ピープル」と読みます)』、『銀河の星屑』、『月光の聖者たち(「ミスター・ムーンライト」と読みます。すいません、面倒で)』の演奏があり、興味深く楽しんだ。
 だが、そのように最後まで一歩引いた楽しみ方をしようとしていたのに、またしても涙腺がゆるんでしまった。
 入院中の桑田を原坊がいつもビデオで撮っていたというくだりだ。「今から手術室でーす」といった調子で撮っていたらしいのだが、ぼくは最初、「いくら奥さんでも、そんなときに撮っているなんて不謹慎じゃないのかなあ」とか「本当に心配だったらそんなことするかなあ」といぶかっていた。すると桑田が言った。
「原坊が言ったんですよね。『このビデオのテーマは“復活”だ』って」
 ぼくは自分の浅はかさを恥じた。誰よりも心配しているのは原坊に決まっているのだ。人知れず泣いた夜もあっただろう。でも彼女はその先の希望を見ていたのだ。そして、その言葉が桑田に与える勇気の大きさに思いを馳せたとき、ぼくの涙腺は決壊した。
 番組を見ていたのは居間。両親も一緒だ。こんなところで泣くわけにはいかない。ぼくは洗面所に立った。
 めったにないことだが、短い期間に涙腺がゆるむことが重なった。それは仕方ないとしても、頼むから泣ける状況のときにゆるんでほしい。

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