オレオレ詐欺は、
オレオレ政治を
つくりだした。。
オレオレ詐欺が発生したのが平成15年、西暦2003年です。翌年、平成16年には爆発的なヒット(?)となり、届け出された金額だけでも被害額は283億円に達しました。
その草創期の凄まじい加速ぶりは、発案者の藤井明男氏(仮名)が著書「悪魔のささやき」で後に打ち明けています。
「あんまり凄いんで、少しでも被害者が減ればと思い書きました」
なーんてことない。本でまた本人が儲けただけ。泥棒に追い銭です。
○
その頃は、失われた30年のはじまりで日本初のヒット商品も数少ない。
「サギこそ21世紀の大ヒット商品じゃないか」
というギャグさえ飛び出しました。
さあ、そこからサギは化けて大きくなる。大化けです。
「ラクして儲けるスタイル」と思った若者を飲み込み、端末使い捨て方式を編み出すことで次々と姿をかえ詐欺は変化し、大伸びしていきます。資本(?)もトコロテン式に追入され、いよいよ多面性を発揮します。
五反田の「地面師騒動」はサギ師に主役性を与えたし。
「ルフイ騒動」では国際性も手に入れていきます。
ここまでポピュラーになった「サギ」。日本の社会生活に影響を与えないわけはない。
「そりゃあ、無いわけはないよ」
というのが道理です。拡大するサギは、サギのポピュリズムを果たしウイルスのように社会にズンズン、ズンズン浸透していくはずだ、とことの経過を見ながらぼくは思っていたのです。
○
というわけで、(いちばん言い辛いことを先に言おう)サギのポピュリズム化は政治の世界に浸透したのではないか。選挙が終わったいまだから、強くそう思うのです。
若者が、あのサギの「受け子」のように取り込まれ、兵馬俑のように並んでいる。そう見えるぼくは間違いなんだろうか。
曰く、外人が日本の土地を買い漁っている。
曰く、外人が日本で税金も払わずトクしまくっている。
わかりやす(すぎる)論法をテコに、若者の気を引きそうな主張を振りまいてくる。
(これ自体は良いことだが)若者の手取りを増やそう、と言うのもあった。
こうした一連の主張は「アオリ運転」に似た手法で発信されている。
「プッ、プッー。早く行け、つまってるぞー」
ゴンと背中をなぐりつけるように。叩く、叩く。(それも個別で対応できることを、わざわざ大きな問題に仕立ている)
ホントはなにを言いたいの。行き先のわからない船に、どうして若者を載せようとするの。なぜそれをここで急ぐのか。なにか陰謀の存在さえ感じてしまう。
オレオレの子、オレオレ政治はもう誕生しているぞ、と心配しています。
○
さあ正論で押すぞ。
「わかりやすい政治のほとんどは、ファッシズムだ」
ぼくらの時代の学生なら、ほぼこの1行ですべて分かってもらえる。
民主主義の中のことは、ほとんどがさまざまな意見の調整から生まれます。その意味では、いつも「わかりやすく」はならないのです。「わかりやすく」するには無理矢理だったり、一方通行だったりのバイアスが生じます。つまり非民主的な行為が必要で、
「そこそこの満足を抱え、そこそこの不満を抱え、民主主義は進んでいくのです」
これが真っ当な社会というものです。
○
さーてと、�.侫.轡好函併惴�の人)はいつも速度を問題にします。まるで合言葉のように、ね。
「なにをグズグズしているんだ。俺なら、私なら、すぐに解決してみせる」
この雄叫びは、あの二文字を裏に隠しています。独裁ほど意思決定が早くできるものなど世の中にないのです。
政治の速度をテーマにしているようでいて、実は独裁を「騙し絵」のように滑りこませようという陰謀と言って良いのかもしれません。
もうひとつ。
��一方的な勝ちを約束します。つまり一方的な負けを作り出すことに、平気です。それでいいのか。わかりやすい正義とは、蓋を開けてみれば(概ね)こういうものです。
急がされてはいけません。
○
なぜ、そこまで話を広げるか。
それはねぇ、オレオレ文化が政治の中にまで浸透し、政治に進化したサギ(オレオレ政治としましょうか)となっているのかと心配しているからです。戦前の日本が(いま思えば同じタイプの)オレオレ人間に引きずられたことは間違い無いところ。
単に合理主義という視点からでも、政治は少し誤ると「目的のためには手段を選ばない」マキャベリストを呼び込むことになる恐れがあります。
「運が良かった…」議員の発言などは、まさしくオレオレそのもの。彼の頭の中は、
「オレオレ、オレオレ…オレオレ、オレオレ」
とインベーダー姿のオレオレ意識が、右から左へ行ったりきたりしているはずです。
自民党は、「理念なくて、利権がある」政党。それだけでもオレオレ的なものに染まりやすいのだが、わずかに残るインテリジェンスが踏みとどまってるはずだが。だが「運が良かった…」議員が東大・法出身であることを考えれば、ここも時間の問題なのかもしれない。
ここでガツンとしないといつの間にかサギの政治ポピュリズム、オレオレ政治がすっくり立ち上がりとんでもないことになるかもしれない。
「只今よりオレオレ警報を発信します」
「�´△鮗臘イ垢訖佑�いたら、オレオレの一部だと疑ってください。」
広報車やパトカーが、昼の最中、こうして管内を巡る時代が来るのだろうか。
のさばるオレオレに戦うのはオレしかない、それが答え。オレオレという「二度返事」は危ないぞ。
「二度返事はヨシなさい」、と母親はいつも言っていた。
今度も親の教えを守ろう。
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