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2025年03月12日05:43

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ロシアは、ナチよりひどい。

 満洲の、のっぺりした草原。砂地に短い草、他になにもない。
 縦横5m、方形の枡形に組んだ陣形で並ぶロシア歩兵。重い銃を抱え、縦横5m離れてたっている。
「ウラーッ、ウラーッ」
 将校のひと声で、方形の陣形は前に進みはじめる。歩兵の掛け声が一斉にあがり、草原の全体を枡形が埋め尽くしそのまま前に進む。歩兵たちはやがて日本軍の射程に入る。その途端、人形のように順に次々と倒れ込んだ。
(…おい、死にたいのか、あいつら)
「あいつらはねぇ、ウクライナの兵なんだ」
「農奴として育った奴らは、将校にはさからえないんだ」
 日本軍は射的のような歩兵戦を、こう理解した。

 ロシアは、なぜクリミアを手放したのか。クリミアは冬でも出港できる「不凍港」がどうしても欲しいロシアが、血潮にかけて獲得した港だった。それを、フルシチョフがウクライナ自治区に
「あすから君たちの土地だ」
といとも軽快に差し出した。その時は、ソ連内部のことで世界のほとんどの人は関心を示さなかった。

 ソ連崩壊、自治区のひとつウクライナの独立は突然、追い立てるように進んでいった。
 独立が決まった時、ぼくは「20世紀の奇跡」と快哉をあげた。
「戦艦ポチョムキン」は、ウクライナの下級水兵とロシアの名家出とされる将校との差別がはじまりだとぼくは理解していた。
 F・フォーサイスの「悪魔の選択」にはウクライナの人々がどれだけ独立を目指していたか、あのフォーサイスならではのリアルなタッチで書き込まれている。日本では知られていないが、ロシアは大量のウクライナ人を殺している。(もっともスターリンはロシア人も同じ目に合わせている)。

 その独立の願いは降って湧いたように、かなった。

 クリミアが血潮にかけて獲得した港なら独立の条件に返還させれば良かったのでは。それがひとつの妥当な意見だろう。けれどロシアは、一言で言えばウクライナをなめていた。ウクライナは従順な農奴で属国で
「いつだってロシアのいうことを、はいそうですか、と聞くのさ」
殴りつけた農奴を思い出し、押さえつけた娘を思い出し、安心していた。ロシアとは、力づくが大好きな熊なのだ。
(ブシャの戦争犯罪の原点は、ここにあると言って良いのだろう)

 ところがNATOが北進してくるともういてもたってもいられなかった。「不凍港」を取り戻しにやってきた。
 殴りつけるようにクリミア奪い取った。ウクライナの人々はもう我慢がならなかった。
「まだそんなことをするのか」
「また農奴のように扱うのか」
 政権が西側寄りに変わり、さらにトランプが言う
「そこそこ成功したコメディアン」が大統領になると、はっきり
「NATOに入りたい」
と広言するようになった。聴いた途端、また熊はじっとしていられなかった。

 まず東部4州に撒いておいた草を動かした。草とは、定住する忍者ロシア人だ。忍者として土地に隠れ住むスパイ兼兵士が、やにはに銃を持ち飛び出した。
「俺たちはロシア人だ。ここはロシアだ」
紛争を起こし、そして特別軍事作戦がはじまった。

 プーチンは言う
「特別軍事作戦は、東部4州のロシア人をネオナチから守るためだ」
 この土地の歴史の教訓に沿って言おう、ウクライナにとって
「ロシアは、ナチよりまだひどい」
のが現実だ。プーチンは、(ナチより)ヒットラーよりひどい奴だ。これが、正しいキーワードだと思う。あまりに実情をとらえていて、とてもタイトルにさえできやしない。
 
 戦争がはじまって3年たった。ロシア人は(いろいろな説があるが)12万人が死んだ。ウクライナ人は(民間含め)6万人以上が死んだ。
 ぼくが3年前に書いた「そうだね、花はどこに行ったの、だね」(23/3/28付)の通りにしてもらえれば、どんなに少なくとも18万以上の花が咲いていることになるのだが、平和がこなければなかなか種は花にはならない。

 トランプは
「あなたたちの歴史は、わかっている」
とまず言うべきだ。いま到底その知識はないだろうし(金儲けの種にはなりにくいし)、そのためには学ぶのだ。

 マリー・トラバースが生きていたら「花はどこに行ったの」を聴かせたい。どうしても聴かせたいと思う。「花はどこに行ったの」はウクライナ歴史を語る歌、3分59秒の歴史書なんだ。
「私なら24時間で停戦させて見せる」
と言う、あの世界があきれ返った承認欲求に浮かれた声付きもマリーの声を聴けば、いくらかやさしい人間になるだろう。なるよ、きっと。それが、勉強さ。
 それで、ようやく公平な仲介者の位置に立てることになると思う。

 Where have all the flowers gone.
 マリー・トラバースが生きていたら、歌が説得してくれる。
(ロシア語の歌唱はないのだろうか、ディトリッヒの「リリー・マルレーン」のように兵士を変えてくれそうな気がするのだが)
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