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2023年11月06日00:25

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ヨッシーくん日記 3 夢見る電気釜。

○2009年06月7日の日記再掲載

 はじめて読む人のために前振り。
 ヨッシーくんというのは、大分前にも書いていますが、W大学の学生(院生)であり、そのまま校舎に住んでいるという学校の主みたいな人なんですね。

「え、どこで寝るの」
 ほら、きた。変に思うよね。
 答えます、答えます。
「主に学校の中で寝るのですね」
 22号館という校舎の学生ホールの椅子の上で、寝ています。
「お風呂は、食事は、どうしているの」
など興味をお持ちの方は以前の「ヨッシーくん物」を一読ください。

 ま、文字どおり学生生活を学校の中ですべて送っている、合わせて「学校生活」というめずらしい日常を送っている方です、で、その人の近況です。

 フーッ、ピカッ。
 大きな湯舟にゆったり浸かっているヨッシーくんの頭の中に電球が点った。ピカピカピカと光った。
「不況を克服するのは、これだ」
 ヨッシーくんは湯舟の中で快哉を上げたのだ。

 大きな湯舟というのはこれもまた学校の施設で、体育局にある運動部専用の風呂、ヨッシーくんがお湯を溜めたり点火するなど風呂番の役目をすることで
「入っていただいても、いいか」
と、ま、まわりが認めてくれている風呂なのですね。体育局の先生方とも
「やあ、いかがですか」
といつの間にか早風呂で声をかわす中だったりします。

 その湯舟の中でヨッシーくんは考えていた。
 実は学校生活者のヨッシーくんにも
「どうも、こんにちは、不況です」
がやっぱり平等に押し寄せていて、非常勤の高校教師と同時にやっているH大学の夜間のガードマンの仕事がなくなっちゃった。収入の半減です。これ仮眠場所がなくなったわけでもあるのですが、まずは収入減が問題。
(H大学の夜間のガードマンなどは、ほとんど寝ている有様、昼はW夜はHという黄金の24時間コースだったのです)

 しかし、不況くんは迫ってきています。
「なんとかしなくっちゃ」
「なんとかするには食費しかない」
「食費を削るには、うーん、自炊だ」
と、まあ、一気に考えちゃったのですね。ま、節約の王道ではありますがね。

 で、その自炊の要になるのが電気釜です。
「電気釜を買おう、これで問題解決だ」
 ヨッシーくんの湯舟の中の快哉はこれだったのです。
「炊きたてのご飯なんて、大分食べていないし、これはいいぞ」

 頭の中の電球は電気釜に変わり、パフー、パフーと愉快そうに湯気まで吹き上げてきたのです。

 だが待てよ、どこで炊く。学生ホールの「ヨッシーくん机」の上に置いて、湯気を吹き上げちゃうのか。学校でキャンプしているわけじゃないしな、どうしたものか。
「それ、無理でしょう」
 話しを聞いた、後輩が待ったを出した。
「それ、トーデンですよ」
「トーデン?東電(東京電力の略)?、陶然?」
 ヨッシーくんなかなか字ヅラが思い付かなかった。後輩は思いきって言った。
「盗む電気と書いて、盗電です」
 
「アラー」
 ヨッシーくんはウロしてしまった。
「利用ならいいのだが、盗はいけない、盗は」

 そうだね、いつも勤め先の高校に出かける時
「行ってらっしゃーい」
と自転車の後ろから声をかけてくれるガードマンのおじさんも「盗」は許してくれないだろう。いくらなんでも学生ホールの机の上でパフー、パフーと吹き上げる湯気を見逃しておくわけにもいかないだろうし。

 ヨッシーくんの電気釜は、ここで湯気が消えた。
 プシュン。
 けれどヨッシーくんはあきらめていない。
「運動部の部室はどうかな。
 あいつら、見つけるとみんな食っちゃうんだろうな」
 などといまだに、運動部と相談をしたりしている。今後が楽しみな方です。
        ○
 いろいろ根回しというか話をしたのだが、「あいつら」の食事量を聞くと、これはとんでもない。防ぎようもないことを知り、オトコらしく諦めたそうです。
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