いまメジャーでは、突然の魔球の出現にわいているらしい。
それは、大谷の投げる横に大きく曲がるボール。以前のスライダーの倍ほどの曲がり幅があり、切れ込むように曲がっていく。流れるように曲がるのではなく、グィーンと切れ込んでいく。まずそこが新しい。そして、曲がり幅が平均38cmだとか、ゆうに50cmはあったという証言さえ出ている。
曲がり方、曲がり幅が新しい球腫、ということになる。
(昨年くらいからだが)その球腫は、スウィーパーないしスウィープスライダーと呼ばれているボールだ。どうやらそいつはベースの上のゴミをシューンと拭き払う、掃除をするという意味らしい。
今年、そのスウィーパーが魔球にまで格上げされようとしているのだが、それには二つの大きな工夫がある。ぼくの好きな言葉で言えば、その二つの工夫がここまで化(ば)けさせたのです。
その二つの工夫とは
1.ボールが指を離れる瞬間、親指を上に跳ね上げ、ボールの回転軸をやや上向きにする。
2.肘をやや下げ、横流れの軌道にし曲がり幅を上手投げの常識を超える大きさにする。
この二つの工夫とその効果は、テレビで大谷の投球を見てもらうのがいちばん早いので、これ以上の説明はやめましょう。ぜひ見てください。
さてと、ここからがもうひとつの本題になります。
思い出して欲しい原稿があります。「ダルビッシュが隠した魔球」です(3月22日掲載)。
その中で、
ダルビッシュは、魔球を決勝のために隠している。
その球種は、ぼくはGS(ジャイアント・スライダー)と名付けていたがこのスウィーパーです。
それは、ベースを横切りボールになりかねないほど大きく曲がるスライダー。
この変化は、9年前の苦い体験から、その場の瞬発力で生み出したダルビッシュの苦心のボールであること。
など説明させてもらいました。
つまりね、話題の魔球とはダルビツシュから大谷へとつながる新しいスライダーであり、WBCですでに今あるのを予感させていたボールと言えるのです。
ぼくは「魔球は、大谷が投げたラストボールと同じ球」と書きました。大谷が投げたあの瞬間に、魔球は受け継がれたと言えるのでしょう。ダルビツシュの発想と大谷の工夫が、(どこからどこまでとカンタンに分けられない、特に工夫のところが)ひとつになったのです。
それにしてもアメリカの記者は言っていいます「スウィーパーをはじめて投げたのは、ダルビツシュです」と。ま、公平な意見です。大谷は翔平ですけど。はい、余分です。
(ごくごく小声で)ですからぼくのあの時の予言は球種、曲がり方についてほぼ正確だったと小さく拳(こぶし)を握るのです。
フーッ疲れた、理屈を言うと疲れるなあ。
見せられる方はもっと疲れるのよ。わからないの。ばーか。
あのー、すいません。
わかちゃいるけど、やめられない、のです。
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