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2023年04月20日22:42

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「竜ちゃんはエラかった」論

 えーと、まもなく5月でして、まことに偉大な方がなくりまして一年です。「一周年おめでとうございます」を大きな声で言いたくなったなあ。

 そのめでたい方の名は上島竜兵、えーダチョウ倶楽部の竜ちゃんです。芸に詰まっている様子がそのまま芸になる、(いま命名したばかり)詰まり芸の竜ちゃんです。

 ちょいとアドリブを仕掛けられるとすぐ詰まる。まずククックッと声が引っ掛かり、何とかシボり出そうと5cm位ジャンプする。これがいかにも本当の5cmだ。けれどすぐに新ネタが出るほど世の中、甘くない。竜ちゃんのオツムも毎度シブい。「訴えてやる」とか約束モノでどうにか逃げ切るんだなあ。

 実は「訴えてやる」が出たのさえ大分たってから。苦しみ、苦しみの果てかなあ。

 でも、ホメたいなあ。
 というのはね、竜ちゃんはとても大きなことをしたんだぞ。その評価、少しも世の中にでないじゃないか。と思うのです。

 当時(80年代末かなあ)日テレに「スーパージョッキー」という番組があって、たけしが軍団相手に悪ふざけのし放題番組だった。だったんだけど、こいつがだんだん煮詰まって「ランマー健康法」という企画さえできちゃった。

 白パンツのダンカンの上に厚さ1cmのコンパネを敷いて。
 上から土を均すランマーをドカドカドカ。
 よせやい。手がすべりゃあ内臓破裂だよ。

 このシリーズ、若者には大人気だった。けれど欠点があったのさ。たけしの相手が言わば身内の軍団だということ。仲間が寄り集まって悪ふざけ、この印象がどうしても拭えない、ふっと口に出そうなのだ。

 足立区タッチの悪ふざけ。と言われなくてよかったね。でてりゃ、この悪口で即死だよ。

 ここで、上島竜兵とダチョウ倶楽部、特に竜ちゃんだよ。
「押すなよ」「絶対に押すなよ」、、「押せーッ」の熱湯コマーシャルの出現です。これが悪ふざけをひと皮むいた。ノドから手の出るほど欲しかった芸のカタチになってきたのです。
 身内じゃないから仲間イジメのエヘラ笑いが出ない。辛い中でもひと芸したがる竜ちゃんとダチョウ倶楽部。これが、あの時代の「たけし企画」を化(ば)けさせた。そうなんだよな。ここからやればやるほど、お笑いに必須のリズムや人間味が取りこまれ、笑いの厚みが出てきちゃった。
 痛い思いをした龍ちゃんが、鳥打帽を目深に「訴えてやる」と突撃はまさしくそのひとつ。「きつい、つらい」と言わずになんとかなんとか芸にした。よくがんばった。

 世の中の人も「面白いからマアいいか」と悪ふざけ企画にややスキを見せた。早かったねぇ、このわずかな市民権をあてにして「元気が出るテレビ」「TAKEちゃんマン」といった危ない突き抜け企画を局が暴走というか発走させた。

 こんなところが、あの時代のお笑いの様相ではないだろうか、とぼくは思う。

(「スーパージョッキー」と「元気が出るテレビ」は被っている、などシノゴノ言うものはいるだろうが、流れはまさしくこうだと思うよ)

「足立区の悪ふざ芸」を芸に仕上げた偉人、上島竜兵をわたしは表彰したい。これが本日の締め。

「お笑いウルトラクイズ」で、部屋の中から20m超えの巨大クレーンで打ち出され、やや手違いから湖の中にドッボーン、
「ビート、俺を殺すきか」と泣きジャクていた竜ちゃん、あれは本気か、芸なのか。
 どちらかわからないのが芸なんですね。はーい、一周年おめでとうございます。
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