新譜之雑談帖（その528）―ディヌ・リパッティブザンソン告別演奏会

若くして白血病で没したリパッティの、生涯最後のコンサートは、これまでも旧ＥＭＩより音盤化されているのは周知の所か、と。この度、Solsticeという、わたくしに取りまして余り御馴染ではないレーベルからこの時の実況録音が発売される、との告知が。所謂板起こしなのか、と思って告知記事を読んでみると怖い蟹（ぢぢいなので、ギャグが一つきりしかないのは御愛嬌）。

なんでもオリジナルのマスター・テープが見つかって、リパッティの指鳴らしやアナウンスも収録されている、いわば完全盤である、との事。その他にも写真資料が数多く収録されている、との事。おお、これはこれは。

リパッティのブザンソン実況録音は、昔から有名な音盤でありまして、わたくしも旧ＥＭＩから発売されたものを、輸入盤で蔵して居ります。わたくしに取りまして、リパッティは何が何でも、全ての録音を収集して止まない、というほどの音盤道楽心を刺激する演奏家、ではないのでありますが、それでもこれまで公にされていなかった部分がある、となると道楽心がざわつきますね。

気になるのはマスター・テープとやらの保存状態。どの程度のクオリティを保っているのか、が一番大きな関心事、でありますが、実際に耳にされた方のレビューを見てから、また考えてみようか、と思う次第であります。