『
search サーチ』
まさに本年度の<アイディア賞>はこれで決まりと言いたくなるユニークさ。
スマホ、PCディスプレイといった現代人を取り巻くデジタルデバイスの画面だけで見せるミステリー劇。
ネットと生活が切っても切り離せなくなった現代だからこそ成立する話。
便利な反面、怖さも潜む…。
娘の失踪から親が知らなかった本当の娘の姿を知る辺りは定番の展開。
娘を探す行程は互いの距離を縮めるとともに見ようとしなかった過去の闇の克服にも近づく。
脚本と俳優の自然な演技から(顔を広く知られたスター俳優でないのも作品にあっている)グイグイと引き込まれてしまう。
デジタルツールを活用すると言ってもFBIやCIAのように一般人では不可能な手法(衛星カメラを操作するとか、街の監視カメラを使い顔認証システムで探すとか…)ではなく、地道にパスワード設定や実際のSNSの仕組みで構成しているのが脚本の強み。
あくまでデジタルデバイスにこだわりながらもカメラが外部に出ることで窮屈さから抜け出るあたりの演出も計算高い。
PC画面(動画ならまだしもテキストや記号といったもの)などを見続けるのが苦手な人にはきついかも知れないが、新しい試みとしては大いに評価できる。
(どこぞの国の予算のない映画やドラマで真似た手法が流行るかも?)
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