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2018年01月13日23:29

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経済之雑談帖(その26)―脱石炭の国際的潮流

温暖化ガス―主として二酸化炭素でありますが―の削減、というのが国際的な潮流の様でありまして。温暖化ガスの大口生産者(生産者、という言い方は適切ではないかも知れませんが)であるのは、何と言っても電力業界。で、「カンキョウガー」と、何とかの一つ覚えの如く口を開く御歴々は、絶対と言って良い程現実を見ないので、「タイヨウコウガー」「フウリョクガー」と寝言を(以下自粛)。では実際海外ではどうなのか、と申しますと。

<引用開始>

脱石炭、孤立する日本 環境相、火力新設を容認 原発再稼働遅れ響く


国内で石炭を使った火力発電所の新増設が進む。中川雅治環境相は12日、中国電力の三隅石炭火力発電所2号機の新設に懸念を示しつつも、建設そのものは容認。原子力発電所の再稼働が進まない中で安定電源として頼らざるを得ないためだ。先進国を中心に脱石炭の流れが強まる中で日本の孤立感が深まっている。

中川氏は同日の記者会見で「日本には多数の石炭火力の新設計画があり、全て建設されると(温暖化ガスの)削減目標達成が困難になる」と語気を強めた。もっとも権限は「意見表明」までで、計画を止めることはできない。中国電も「代替電源として不可欠」と新設計画を進める考えだ。環境省はこれまで秋田港など計5の石炭火力の新増設計画に「是認できない」と今回よりも強い表現で意見書を出した。実際に撤回されたのは関西電力などの千葉県市原市の計画だけだ。今では事前に経済産業省と表現を擦り合わせるなど意見書の有名無実化が進む。

環境省は「このままでは温暖化ガスの排出減が進まない」という。日本の目標は、30年度に13年度比26%の排出を減らすというもの。石炭火力発電は二酸化炭素(CO2)排出が多く、同じ火力でもガス発電の約2倍だ。約40ある石炭火力発電所の新設計画が実行されれば目標は達成がおぼつかない。「世界の脱石炭の潮流に取り残される」(環境省幹部)海外の脱石炭は速い。「石炭とサヨナラする」。17年11月、英国とカナダが主導して約20の国・地域が原則、石炭の利用をやめると表明した。

英国は25年までに石炭火力発電所を全廃する方針で、12年から16年の間に石炭火力の発電量は3分の1に減った。フランスも21年までに全面閉鎖するほか、メキシコやイタリアも同調する。国際エネルギー機関(IEA)によると、16年の世界の石炭需要は前年比1.9%減と2年連続で減った。トランプ米政権は石炭産業の復活を掲げるが、価格競争力の高いシェールガスが石炭を駆逐する勢い。電源の7割を石炭火力が占める中国は深刻な大気汚染からクリーンな電力への切り替えを急ぐ。増えるのは主にインドと東南アジア諸国連合(ASEAN)だ。

日本も石炭消費は減るとみられているが、そのペースは原発の再稼働が進むかにかかる。11年の東京電力福島第1原発事故後、すべての原発は停止し、再稼働できたのはわずか5基。国は30年に電源構成に占める原子力の割合を20〜22%にする計画を掲げるが、安全審査や地元同意に手間取り足元は2%だ。一方で再生可能エネルギーはコストがなお高く、天候に左右されるため出力が不安定で、電力安定供給には火力しかない。日本はガスの4割強を筆頭に石炭が3割強、石油が1割と火力が8割を超える。その燃料はほぼ全量が輸入だ。資源価格が高騰すれば国富の海外流出が加速し、電力料金に跳ね返る。

「高効率の石炭火力を導入していく必要性がある」。17年12月に開かれた経産省の有識者会議。中印などアジアや米国に日本の最高効率の石炭火力発電を導入すれば、約12億トンのCO2の削減が可能とする試算を示した。これは日本の年間排出量とほぼ同じ。経産省幹部は「世界の排出に占める割合が約3%の日本が国内で減らすより、国外で貢献する方が効果は大きい」と力説する。

日本が成長戦略の一環で火力発電所輸出を推進していることへの国際的な批判は高まる一方だ。「日本は地球を汚染する石炭火力を輸出している」。17年11月にドイツ・ボンで開かれた第23回国連気候変動枠組み条約締約国会議。環境非政府組織(NGO)らの批判のやり玉に挙がったのは日本だった。エネルギー問題は、安定供給や経済性の観点が重要で、温暖化対策だけでは語れない。ただ株式市場でも環境対策や社会貢献など「ESG」投資が拡大するなど温暖化への取り組みを企業も軽視できなくなっている。脱石炭という世界の潮流と電力の安定供給という二兎(にと)を追えない日本のジレンマは続く。

<引用終了>

出典Web:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180113&ng=DGKKZO25623510S8A110C1EA4000

「カンキョウガー」「ゲンパツガー」と宣う御仁方は、自らの発言が矛盾している事に気が付かない(自粛)、何処か原子力にも火力にも頼らなくても、エネルギーの安定供給は保証されている、素晴らしい世界の住人なのでありましょう。わたくしの知る限りではそうした世界は、現実ではない様ですが、何処に存在するのか。わたくしの様な凡俗の理解を超えた世界なのでありましょう。実に羨ましい限りでありますね。
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