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2015年05月18日01:49

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『クーキー』

 一般公開は8月だが、一足早くシネマ・カリテ・コレクションで紹介されたので見てきました。

クーキー

 チェコといえばビールと人形アニメーション。
それくらいしか知識がないのはお恥ずかしい限りだが、国を代表するマリオネットと実写が組み合わさった素敵な作品が登場。
しかも監督は『コーリャ 愛のプラハ』でアカデミー賞外国語映画賞受賞したヤン・スヴェラーク。

 なんでも本国チェコでは『トイ・ストーリー3』を超えたとかいう国民的大ヒット映画!
しかし、『トイ・ストーリー』が比較に持ち出されるのも一面では頷ける。

 …というのも、主人公のオンドラは喘息もちで、まだオモチャを手放せない子供。
母が半ば強引に壊れたオモチャなどを捨ててしまうのだが、捨てられたテディベアの<クーキー>が様々な森の生き物たちと触れ合いながら家路を求めるからだ。

 何と言っても、その卓越したマリオネーション技術に舌を巻く。
最初こそ「ぬいぐるみでしょ?」と思っていたが、まるで変化のない造形なのにどんどんこちらの心とシンクロするように見てくるから不思議。
幻想的なチェコの森だからこその演出効果もあったと思われる。
だが、それは制作工程の困難さにもつながったことであろう。

 当初は1か月程度のスケジュールと、数人のスタッフだったというが、最終的にスケジュールは三倍にのび、スタッフ数は約10倍とかになったというのも理解できるほどの力作。
本当にどうやって操作して動物を交えて撮影したのか見当もつかない。

 ほぼ予想がつくあらすじだが、一ひねりあるのが大人でも楽しめるし、さすがヤン・スヴェラーク監督だと思う。
最後の伏線の鮮やかさに思わず声をあげそうになった
(『トイ・ストーリー』よりも『LEGO (R) ムービー』と比較するべき?)

 一見人形劇を装っているが、その実しっかりした人間ドラマで、オンドラ少年の成長と自立もキチンと描かれている点に好感が持てる。
子供よりもむしろかつて子供だった人が見るべき映画かもしれない。

もちろん登場したテディベア『クーキー』の愛らしさも抜かりなし。指でOK

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