TOUCH
『24』で一躍時の人となったキーファー・サザーランドが挑むTV新シリーズ(全12話)。
WOWOWでは第一話のみ無料放送だったので録画してあったのを鑑賞。
<負の連鎖>と切っても切れない<9.11>。そこに端を発しながら、逆の<
正の連鎖>を思わせる奇跡の話。
妻を<9.11>で亡くし、一切言葉を話さない気難しい息子に触れることもままならない父(キーファー・サザーランド)の苦悩とミステリアスな数字の謎で観るものを引き寄せる。
裏切り、略奪、報復…ウンザリするほどネガティブな作品が<9.11>の名の下で作られてきたが、果たしてそれでいいのか?
人間の可能性や良き側面に蓋をすること是としていてはどこまでいっても<負の連鎖>は解決しないではないか。
…そう考えるクリエイターがいても不思議ではない。
人を信じられないこの時代に人間の持つポジティブな側面に光を当てようという狙いではないか。
(ようやくそういう時期に来たのかもしれないが…)
数字を操る演出は珍しくないが、事象をパズルのようにうまく嵌め込んでいく技量に脚本家の力を感じる。一見、無関係に思えることも全てはつながっているのだ。
この作品のタイトルは時に相手を傷つけてしまう危険のある<触れ合い>を通し、それでもなお触れ合うことの大切さを説いていくということではないか?
何かの映画のレビューで<
ヤマアラシのジレンマ>と書いたマイミクさんがいたが、そんな感じも受ける。
“あの日”からイスラム世界とアメリカではすっかり境界線が出来上がっている気もするが、それでも触れることこそ解決の第一歩だとでもいいたげなコンセプトに思えた。
その中でどちらでもない日本(東京)が借景ではなく、実のある使い方をされていたのがなんとも嬉しい。(お定まりの箇所もあるけど…苦笑)
『24』という<負の連鎖>が引き起こす事件の中で孤軍奮闘し、精神的に疲弊していたであろうキーファーにとっても、この企画は癒しだったのではないか。
続きが楽しみだ。
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