『
007 スカイフォール』
50周年…、映画の歴史自体が100年ちょっとしかないことを考えたら驚異的な年月だと思う。その記念にふさわしいというか、アニバーサリーだからこそ実現できたアイディア。まさしくここで区切りをつけるための
007原点回帰を思わせる話であった。
表紙と裏表紙はこれまでどおりだが、中間は007シリーズにしては<らしくない>展開が見られる。
アクション映画であることは間違いないが、ベクトルが007映画ではない気もした。
(『スピード』とか『ダイ・ハード』とか…)
『ゴールドフィンガー』をおさらいしておくと役に立つようだという事前情報どおりオールドファンに目配せするネタがそこかしこに散りばめられ、
史上最年長の<ボンドガール>(笑)を配して、これまでのスマートなボンド像から少し離れたアクションを堪能。
実現はしなかったが、いかにも
ショーン・コネリーにあてがきされたキャストと分かる人物もいて興味深い。
アクションは満載していてもベースは<家族ドラマ>であろうか。
同じように<親>から見捨てられた<子ども>でも、その後の人生は「生かすも殺すも己次第」。
自立する重要さをサム・メンデスはそっと忍び込ませる究極のルーツ物語。
ロケ地が魅力的でロンドンはもちろんスコットランド、マカオ等に混じり長崎の軍艦島もキーとなるポイントで登場する。
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