mixiユーザー(id:11939455)

2012年11月30日01:49

4 view

TOKYO FILMeX 2012 第13回東京フィルメックス『ギマランイス歴史地区(仮題)』 

TOKYO FILMeX 2012 第13回東京フィルメックス 

『ギマランイス歴史地区(仮題)』

 ポルトガル発祥の地とされ歴史的建造物などが多く立ち並ぶギマランイス歴史地区にスポットをあて、欧州を代表する個性的な4人の監督の短編で構成されたオムニバス映画。

 まず錚々たる4人の顔ぶれに映画ファンなら目が行くはず。
アキ・カウリスマキ、ペドロ・コスタ、 ビクトル・エリセ、マノエル・ド・オリヴェイラ の4監督。
ユーモラスな作品あり、シリアスなものあり、抽象的なものありとスタイルも様々だが、通して語られる作品から歴史の深みと人々の営みが感じ取れる。

 先鋒はアキ・カウリスマキ。
『バーテンダー』と題された閑古鳥のなくレストランの一日をいかにも彼らしいペーソス溢れるタッチで描いてみせる。客の一部分だけで人柄が伝わる演出もカウリスマキらしい。
繰り返される日常に愛を込めて語られているようだ。
フィンランド出身のカウリスマキだが、何でも現在はポルトガルに居を構えているらしい。

 次峰は ペドロ・コスタ。
『命の嘆き』という題だが、かなり表現方法はシュール。
この地区の歴史的事実を知らないと意味不明に感じる箇所はあるだろう。
勇気ある構成だが、最後の暗喩たっぷりの会話はウマイと思う。

 副将は ビクトル・エリセ。
寡作で知られるため、こういう機会でも新作が拝めるのは何より。
『割れたガラス』と題された短編は、かつて栄えていた紡績工場で労働していた人たちへのインタビュー集。いかに苛酷で見返りの少ないものであったのかということと、現在生きる人たちへ<先人たちのことを忘れないように>というメッセージかと感じた。大食堂の古びた集合写真に圧倒される。

 大将に控えるのは現役最年長監督の マノエル・ド・オリヴェイラ。
ポルトガルを代表する巨匠だが、意外にも『征服者、征服さる』と題された本作は軽やかなウィットに富んだ短編。歴史深いこの地もすっかり観光地化されていることをユーモラスに語る。

フォト

2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2012年11月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 

最近の日記

もっと見る