備忘録、
ラテンビート映画祭2011
もう半年近くなるけど、残り二本を記録として書いておきます。
『リオ!ブルー 初めての空へ』
ブラジル出身で『アイスエイジ』を監督したカルロス・サンダーニャがハリウッドで一旗あげて凱旋帰国…的な意味合いも感じるCGアニメーション。
まさに主人公である青いコンゴウインコとイメージが重なる。
生まれた姿だけで珍重され、甘やかされたコンゴウインコが、苦難にめげず<本来の自分>をトリ戻すという成長物語。
CGで描かれた色彩がとても美しい。
俯瞰で見下ろすリオデジャネイロは息を呑むほど。
コンゴウインコや街並みが極彩色のデジタルととてもマッチしている。
もはやハリウッドのアニメーションでは<当たり前>になった感もあるけど、ジェシー・アイゼンバーグ、アン・ハサウェイ、ジェイミー・フォックスといった豪華声優陣ももうひとつ彩りを加えているようである。
子供向けとはいえ、
テンポよくユーモアたっぷりに語られる話にはアメリカ風刺も織り込まれていて、ファミリー層で楽しめそう。
ノリノリのサンバのリズムもいいですね。
それだけに直前まであった劇場公開の予定がなくなり、DVDスルーになったのは少し残念でした。
(タイトルからリオを抜いて昨年末にソフト化された。)
『雨さえも〜ボリビアの熱い一日〜』
今も昔も先進国に搾取され続けるボリビアの姿を、史劇のロケハンを通して語られる社会派ドラマ。
<安全と水はただ>だった時代は過ぎ去った日本にとっても決して他人事ではあるまい。
実際に2000年初頭にボリビアで起きた
『水戦争』に材をとり、『麦の穂をゆらす風』などケン・ローチ作品で知られるポール・ラヴァーティが脚本を担当。
それゆえか庶民目線から社会悪を斬って捨てるあたり含めケン・ローチの作風と酷似している。
(というよりもそもそも脚本家の作風だったのかも。)
劇中劇として語られるクリストバル・コロン(クリストファー・コロンブス)の入れ子構造がうまく効いている。
登場する男たちの、
どれほど<道>は険しくとも完遂しようとする意志の強さが胸に迫る。
日本だとガエル・ガルシア・ベルナルが一番有名なので目を惹かれるが、主役はルイス・トサルの方。
しかし、そんな二人を尻目に先住民族のダニエル役の人がひときわ印象的。
是非とも一般公開にこぎつけることを祈っています。
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