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2024年03月11日06:42

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みんな電力、日帰りツアー

 アベノミクスは不成功だったこともあるが評価できる面もある。その一つが電力の自由化である。自由化され、ぼくは「みんな電力」と契約した。
 その「みんな電力」から、ときどき電力関係のイベントの案内メールが届く。先日「顔の見える発電所ツアー〜神奈川県相模原市〜」の案内が来たのでダメ元で応募してみたところ当選した。
 で、一昨日行ってきた。
 JR橋本駅に当選した16人が集合してスタッフ6人とともにバスに乗り込み、まずは「アビオファーム」という農園に向かった。
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 最初に農園の責任者である遠藤さんにアビオファームの立ち上げの経緯や取り組みについてのお話をいただいた。肥料を使わないスタイルを貫いていることや、それに伴う苦労話、今後の展望などである。農業に関して知識が豊富なだけでなく経営に関してもプロなので、参加者が何を訊いても即答できる。しかもとても前向きだ。遠藤さんは渋谷区が手がける農業事業のアドバイザーもやっているのだそうだ。さすが。
 そして畑に行ってみんなで無農薬のキクイモや菜の花などを収穫、素晴らしいお土産ができた。そしてランチはアビオファームで採れた野菜を使ったお弁当だった。遠藤さんの熱いお話を伺ったあとなので、おいしさも倍増。
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(説明する遠藤さんとランチのお弁当とアビオファームで飼っている猫)

 そしてまたバス移動し、ツアーのメインである相模原ソーラーシェアリング前戸の見学となった。
 じっさいに行ってみるまで、発電所というからには最新の大きな装置がいくつも並んでいる設備を想像していた。
 想像は裏切られた。それほど広大でもない畑の一角にソーラーパネルが設置されているのだが、それが発電所だったのだ。地方で車を運転しているとそういう光景を目の当たりにすることは珍しくないが、それを発電所だと認識することはなかった。ぼくの家の屋根にソーラーパネルが乗っているわけでもないので。
 しかしそれは紛れもなく発電所なのだ。CEOである山川さんによると、相模原ソーラーシェアリング前戸はそこで作った電気を東京電力に売り、東京電力はみんな電気にその電気を売り、みんな電力は我々にその電気を売っているという流れだ。普段、電気がどのように作られて自宅まで届くかなんて考えることはない。スイッチを入れればパッと電灯がともる。それだけのことだ。その「それだけのこと」を実感できた。
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 山川さんにはソーラーシェアリングというものがいかなるものかをご説明いただいた。ぼくは知らなかったのだが、ソーラーパネルを地上3メートルぐらいの高さに設置し、その下のスペースで農作物を育てる、つまり発電と農業を両立させるやり方をソーラーシェアリングというのである。相模原ソーラーシェアリング前戸の場合はソーラーパネルの下でブルーベリーを育てている。そこは「さがみこベリーガーデン」として営業している。山川さんによると、キノコも検討したのだが、試行錯誤の末ブルーベリーに落ち着いたとのことだった。
 山川さんは自然エネルギーで循環する世界や地域共生型ソーラーシェアリングを目指しているお話や土地を借りるときの苦労話をされた。しかし語り口調には苦悩よりも笑い飛ばしている明るさがあった。
 ご説明のあとには自家製のハチミツを使ったハチミツレモンをいただいた。
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(お湯を沸かしていたソーラー屋台)

 そしてバスで橋本駅に戻って解散したのだが、じつに学びの多い体験だった。アビオファームの遠藤さんとソーラーシェアリングの山川さん、お二人の話には理想を語るだけではない、さまざまな問題に直面しながらも前に進んでいる実行者の説得力があった。
 参加者のSDGsへの意識も高かった。知識も深く、じっさいに取り組んでいる参加者もおられた。遠足気分で参加したのはぼくぐらいだったのではないだろうか。
 忘れてならないのはスタッフさんたちの心づかいである。日帰りとはいえ、初対面の人たちが集うツアーである。少しでもみんなが楽しく過ごせるようにと、見事な雰囲気づくりをおこなった。行きのバスの中では一人ひとりの自己紹介をさせたのだが、氏名、どこから来たのか、そして自分を野菜に例えると何か(あるいは好きな野菜)を言わせた。おかげで車内には笑いが絶えず、参加者は最初からリラックスでき、和気あいあいと過ごせた。それだけではない。できるだけ多くの人とお話しできるようにと、ランチで同じテーブルに着く人も班分けしていた。そして全行程終了時には全員に修了証を手渡した。見事な手づくりツアーである。
 こんな親密なツアーに参加できたことはもちろんうれしい。しかしそれよりも、理解者を増やそうとこうした取り組みを実行しているみんな電気という会社に驚いている。
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(お土産のキクイモや菜の花は妻と美味しくいただきました)

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