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2021年01月22日23:58

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新譜之雑談帖(その708)―ポール・パレイ最晩年の実況録音

仏蘭西出身の指揮者ポール・パレイは、わたくしの御贔屓指揮者の一人、でありまして。デトロイト交響楽団の常任を勤めていた時代、モノラルLP時代からステレオ初期に掛けて相当数の録音を残して居り、録音運には恵まれていた演奏家と言って差し支えはないか、と思います。

これらの演奏については、無論不満がある訳ではないのですが、只惜しむらくはデトロイト交響楽団を離れてからの録音が少ない事。無論中古LP等を漁れば、かなりの数の録音が残されている様なのですが、わたくしは所謂セカンド・ハンドの収集には(音盤に限らず)消極的でありまして。CD化されたもので記憶に残っているものでは、デトロイト交響楽団とのマーラーの第五交響曲の実況録音と、イスラエル・フィルとのシューマンの第二・第三交響曲くらい。

先年、某スペクトラム・レーベルから、「偉大なる指揮者たち」と題する、色々な指揮者の実況録音集が発売されましたが、その中にパレイが仏蘭西国立放送管弦楽団を指揮した、ベートーヴェン第五交響曲の実況録音が含まれておりまして。おや、と思い実況録音が残されているのなら、単体で出してくれれば良いのに、と思ったものでありました。

そうした音盤道楽爺の妄想を聞き入れてくれた、訳では勿論ないのでありましょうがこの程同じスペクトラム・レーベルから、最晩年のパレイの実況録音が発売される、との告知が。嗚呼、なんてこったい。
曲目がまたフランクの交響曲、ドビュッシーの夜想曲、ラヴエルのボレロ、といったある意味最強(?)の組み合わせ。1975年の実況録音、と言いますから実にパレイ御年89歳の演奏。当然ステレオ録音でありまして、大いに期待したい所。嗚呼、生きていてよかった(大袈裟)。

先のベートーヴェンの第五交響曲の録音が1957年の録音だ、という事でしたからこの間18年、その間の実況録音が絶無という事はないと思うので、幾つか出して貰えないものですかねえ。パレイの世代ならば(フルトヴェングラーと同い年)当然実況録音の方が白熱した演奏が繰り広げられていたであろう事は想像に難くない所。気長に待ちたい、と思います。
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