『恋はデジャ・ブ』
コメディゆえに、マーレイのその存在があればこそのビルマーレイ映画であるが、オヤジのシンデレラ・ストーリーなキモさもありながらも、冬が舞台のロマンティシズムも表される奇妙な作品、ハリウッドのティピカルなものでバランスを支えている。
最初観たときは同じことが繰り返されるのが苦痛であったけれど、今回は三度目だからだろうか、それも久しぶりに観たってこともあるのか、出来事のリピートでも、アクションで変化させたりとか、退屈にさせないために当たり前であるが、構成上の変化がおもしろく感じられた。自身の嫌な部分や小さくても或いは大きくてもほとんど失敗が繰り返され時には思い出してあ〜〜と叫びたくなるのが日常の積み重ねであり、取り返しがつかないではなく取り返しがつくことをやっていっても自身のホントの姿をつかめないのが人間のけったいさであること、ビルマーレイ体現せしめる。狡猾さや傲慢なところをなくし誠実さを現しせしめる。よくよくみれば、キャプラにも多くあらわされるスモールタウンに育まれる誠実さ、ボーイミーツガール等といったハリウッドの典型を上手く取り入れながら、冬に表象される苦みある人生といったものを春に転じて見せるストラクチャーの技、ライミスは素敵に表現している。
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