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2019年06月29日23:40

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展覧会之雑談帖(その3)―クリムト展

上野の東京都美術館で、クリムト展を開催しているのは知っていましたが、中々行く時間が拵えられずうだうだしているうちに、そろそろ会期が終わりになりそうな時期に。何とか時間を取って見てきましたので、感想を少々。

正直に言いますと、わたくしクリムトの絵に左程心が惹かれる、という事もないのですが今回はあの『ベートーヴェン・フリーズ』の実物大レプリカが展示される、との事。これは(仮令複製でも)是非見たい、と思って出かける事にしたのでありました。さて複製を見て意外だったのは、もっとびっしりと絵描かれた壁画と思い込んでいたのが、浮遊する精霊だけが描かれている部分が殆どで、CDのジャケット絵で紹介される、書き込まれた部分は少ないのでありますね。
まあそれでも、実物を見る為にはウィーン迄出掛けなければならず、レプリカと雖も原寸大で拝む事が出来たので、まあ当初の望みは叶った格好に。只、「黄金の騎士」はマーラーがモデルである、と何かで読んだような記憶があるのですが、あれは俗説だったのか。解説文には何も記載がなかったですね。

他には「女の三代」と「ユディト」が目玉であった様ですが、「ダナエ」や「接吻」も来ているか、と思いきや来ていなかったのは、ちょっと期待外れ。まあ色々都合もあるでしょうから、そうそう代表作を並べる訳にもいかない所か、と。「女の三代」は、老醜をさらす年老いた女性が矢張りインパクトがありましたね。肖像画で老婦人を描く場合はされおき、女性の裸体画は大概が今も昔の若いお姐ちゃんと相場が決まっているので、当時は大変な騒ぎになった事は想像に難くない所。

という訳で、ちょっと物足りなさが残りましたが、まあベートーヴェン・フリーズのレプリカが見られただけでわたくしとしてはまあ満足のいく展覧会ではありました。
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