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2018年12月02日21:35

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湖月抄(下)を入手

11月22日、吉祥寺の古本屋「よみた屋」に行ってみたら、自動ドアの外側の廉価本のところに分厚い本があった。かなり古ぼけているが、表紙には金で十二単衣を着た女性が描かれている。
よく見たら、いわゆる「湖月抄」であった。
湖月抄というのは、江戸期に刊行された木版の『源氏物語』で、本文が掲載されているほかに北村季吟による注釈が掲載されている。この注釈は、それまでの源氏研究を踏まえたものだ。「抄」となっているが、僕の知る限りでは本文に省略は無い。
江戸時代の賀茂真淵や本居宣長から与謝野晶子や折口信夫まで、「湖月抄」により源氏物語を読んでいる。

その増注版の「中」と「下」が各500円となっていた。
これは、有川武彦による増注校訂を加えた昭和2年(1927年)刊行の3冊本。
内容は相当に古びているが、なかなか手に入らないものだ。

この増注版については、それを写真製版(縮刷)した文庫版が講談社学術文庫から出ている。しかし、こちらも安くはないし、また古本屋でもなかなか見かけない。上巻だけを八王子の古本屋で1500円ほどで買ったが、続きをその程度の値段で見たことは無かった。
その文庫版には、ほとんど手をつけていなかった。と言うのも、文庫版では文字がかなり小さくなっており、肝心の注の部分などは普通には読めないからだ。なので、何か必要があって参照するほかには、開いて見ることがなかった。

しかし、この古本は大判で、机上であれば読めそうだった。
色々と考えた末に、「下巻」だけを買った。
中巻に手を出さなかったのは、重かったからだ(笑)。
どうしても読みたくなれば、文庫版であれば、市立図書館などにある。文庫版ではない増注版は、都立図書館などにあるが、多くは「禁帯出」(館外持ち出し不可)となっているようだ。

下巻には、「雲隠」を含めて「横笛」から「夢浮橋」までが収められている。
読んで何か発見があるかどうか。いずれ記す日が来るかも知れない。

ちなみにページ数は、「上」690ページ、「中」997ページ、「下」1039ページ。

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◆「湖月抄 / 北村季吟 撰」(早稲田大学蔵書)
http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/bunko30/bunko30_a0191/index.html
◆「湖月抄 / 北村季吟」(愛知県立大学図書館 貴重書コレクション)
http://opac1.aichi-pu.ac.jp/kicho/wahon/books-outline/9133_1-60_45.html
◆「源氏物語湖月抄」(国立国会図書館デジタルコレクション)
https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I000000506394-00
◆「影印本湖月抄 御法」(笠間 WEB SHOP)
http://shop.kasamashoin.jp/bd/isbn/9784305000866/
◆影印本湖月抄(電子書籍・笠間書院)
https://www.ebookjapan.jp/ebj/276925/volume4/
◆湖月抄- Digitalisierte Sammlungen
(中) https://digital.staatsbibliothek-berlin.de/werkansicht?PPN=PPN3348760984&PHYSID=PHYS_0581&DMDID=DMDLOG_0001
(下) https://digital.staatsbibliothek-berlin.de/werkansicht?PPN=PPN3348760976&PHYSID=PHYS_0001&DMDID=DMDLOG_0001

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