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2018年09月26日22:01

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ハイデガーの誕生日

岩波書店によれば、今日(9月26日)はハイデガーの誕生日なんだとか。
彼は1889年生まれということなので、世代から言うと、僕の曽祖父と祖父の間くらいになります。その世代のドイツ人たちの中から「ハイデガー」が生まれたのだと思うと、少しだけ彼が身近に感じられます。

著作ではなく、人物としてのハイデガーの面白いところのひとつは、その「思考の深さ」と、その「生き方の俗物性」とのギャップだと思っています。

その「思考の深さ」については、あらためて論じるまでもないでしょう。
その「生き方の俗物性」は、アレントとの恋愛(不倫)事件や、ナチズムへの加担に現われています。
自分の恩師(フッサール)や愛人(アレント)がユダヤ人であるのに、民族としてのユダヤを否定するような政治運動に加担することが「妥当ではないこと」であることなど、彼の思考力をもってすれば分からないわけはないでしょう。しかし、「思考」とは別の原理で「行動」することは、人間にはえてしてあることです。
その典型が、ハイデガーであったのだと思います。

このことは、類まれなる思考能力が、倫理や道義を欠いた精神と、ひとつの人格の中で同居可能であることも示していると思います。

ハイデガーの悪口ばかりを書きましたが、若き日の彼には、フッサールから後継者と認められるだけの才能と人格があったはずです。また、妻子ある身でありながら、若い女学生を心酔させるだけの魅力も持っていたはずです。
なぜ、彼は恩師や愛人を裏切ったのか。そこには、ある種の世俗性以外の理由は無かったのではないかと僕は思っています。

ハイデガーから、どのような思想、思考様式、道義、倫理などを学ぶか。
なかなか面白いテーマだと思っています。

◆ハイデガー『存在と時間』note
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=600486595&owner_id=2312860

◆岩波書店 @Iwanamishoten
「今日は,ハイデガーの誕生日(1889年).カント以後最大の哲学者,きわめて難解な思想家,ナチズムの擁護者……今なお議論を呼ぶ存在ですね.主著『存在と時間』は,哲学の地形を一変させたとされます.熊野純彦さんの翻訳でどうぞ.☞」
https://twitter.com/Iwanamishoten/status/1044783686477139969

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