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2017年12月18日22:26

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安全ワイヤー

「普天間第二小学校における米軍CH−53Eの窓の落下について」
平成29年12月18日
防衛省

「(2)事故原因
・事故原因は、人的ミスであると結論づけられた。
・搭乗員は、飛行前点検を行ったが、窓のレバーが安全ワイヤーによって適切に固定されていない(適切な位置に保たれていない)ことを見落とした。
・窓のレバーが誤って、又は不注意によって緊急脱出の位置に動かされたことによって、窓が航空機から離脱した。
・本件事故は、当該機固有の問題であり、他の航空機とは無関係であると結論づけられた。」
http://www.mod.go.jp/j/press/news/2017/12/18b.html

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航空機などの構造に詳しくない人にとっては、
「窓のレバーが安全ワイヤーによって」「固定されている」
という状態がイメージしにくいかも知れない。

そう言えば、僕が乗っていたASK21型やASK23型という練習用グライダーでは、窓(キャノピー)のレバーが安全ワイヤーによって固定されていた。

下の写真で赤い「取って」が付いているのが、キャノピーを外すレバーで、それが銀色のワイヤー(オレンジ色の矢印)で固定されている。このレバーを矢印の側(左側)に動かすと、キャノピーが外れる。キャノピーが「開く」のではなく、キャノピーが「外れる」のである。
赤矢印の下のところには、キャノピーが機体から外れている図がシールで貼られている。赤い「取って」をこの位置まで動かせば、キャノピーが外れる。

フォト

http://www.acsn.de/fileadmin/galerie/segelfliegen/impressionen/impr_09.jpg

このワイヤー(針金)は、2〜3回ほど撚り合わせて留められている。つまり、不注意では動かないが、いざという時は外れるようにしているのだ。「いざという時」というのは、飛行中に機外に出なければならない時、多くは機体が操縦不能となってパラシュートで脱出しなければならないような時だ。

ASK21のキャノピー離脱レバーの写真を探していたら、シールの位置が右側にあるものもあった。どっちが「正しい」のだろう(笑)。

フォト

https://i.ytimg.com/vi/-W6O3lX9rwE/maxresdefault.jpg

シールを「赤」にして注意喚起している機体もあった。

フォト

https://www.alexander-schleicher.de/wp-content/uploads/2015/04/21-Mi-Cockpit-002.jpg

と思ったら、この機体のレバーには「安全ワイヤー」が付いていないじゃないか!
大丈夫なのか(笑)。

このレバーは、非常時以外でも動かす場合がある。
機体整備などのときにキャノピーが邪魔であれば、このレバーによりキャノピーを外す。
安全ワイヤーが錆びることもあるから、少なくとも年に1回の耐空検査のときぐらいには、ワイヤーを交換していると思う。

防衛省の「お知らせ」には、次の事項が「再発防止策」として書かれていたが、これは普通の措置であって、今回の事故に基づく「再発防止策」ではないだろう。

「・窓の安全ワイヤーは、整備・点検時を除き、恒常的に取り付けられ、緊急時以外には外さない措置を講じた。」

■米軍ヘリの飛行再開容認=「措置取られたと判断」−ワイヤ固定せず窓落下・防衛省
(時事通信社 - 12月18日 18:30)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=4909270
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