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2017年08月20日23:58

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新譜之雑談帖(その413)―ボストン交響楽団DG録音集成(57CD)

此処の所、どうした風の吹き回しなのか、ボストン交響楽団の常任指揮者を務めた指揮者の録音集成が次から次へと発売されて、ちょっと意外の感に打たれる事暫し。
古い方から挙げていくと、モントゥーの録音集成がヴェニアスとテデッカから発売され、クーセヴィツキーと一代置いてラインスドルフ、スタインバーグの録音集成が、某Kの国レーベルから、そしてクーセヴィツキーとラインスドルフとの間の常任指揮者であった、ミュンシュのRCAへの全録音集成、とよくもまあこれだけ続けて、と感心せずにはいられない所。

そんな中、今度は様々な指揮者が、ボストン交響楽団を指揮してDGに録音したものの集大成、が発売される事になりました。ううむ、凄い。

確かボストン交響楽団が、DGに録音する様になったのは1970年代初頭の筈、と思っていましたが幸い記憶に誤りはなく、若かりし頃のアバドやティルスン・トーマス、当時の大物指揮者ではヨッフムやクーベリックの録音が最初期の様で。
その後は小澤征爾の時代が長く続く訳ですが、小澤/ボストン交響楽団の録音のメインはどちらかというと今は無きフィリップスであったかと思います。小澤さんはカラヤンの様に、全集を作る事に関してはそれほど熱心ではなかった様な気がしますが、ボストン交響楽団とのマーラー交響曲全集は、フィリップスへの録音。プロコフィエフの交響曲全集はDGへ録音していますが、これはベルリン・フィルとの演奏。

先達てから小澤さんの録音は、色々な形で集成が発売されていますが、どれも全てを網羅している訳ではないのが、聊か辛い所でありますね。わたくしは音盤上では、小澤さんの演奏の良い聴き手とはとても申せないのでありますが、DGへ録音したマーラーの第一交響曲の演奏は、ワルター/コロンビア交響楽団に迫る、屈指の名演と思っている次第。殆どの指揮者が、第四楽章のコーダはテンポを挙げて、わーっと終わるのに対してワルターと小澤さんは、余りテンポを挙げずに十分オーケストラを鳴らすのがわたくしの好み。特に小澤さんの演奏では、伴奏回る弦の倍音の響きが実に綺麗で、何度聴いても痺れずにはいられない所。

これは優秀録音を謳われる後年のフィリップスの、同じ曲の録音でもここまでは出来ていないので、わたくしはDG盤に軍配を挙げるのですが、これはどうも圧倒的に少数派の様で。後にDG盤へは、花の章を追加していますが、今回は花の章の扱いはどうなっているのでありましょうか。

流石に此処ら辺り迄手を出していては財政破綻するのは火を見るより明らかなので、手を出す積りはないのですが、小澤さんの録音だけ全部まとめてくれないものか、と思って仕舞いますね。
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