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2016年07月23日21:49

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週刊マンガ「モーニング」を買った。

久しぶりにマンガ雑誌を買った。
先週、発売された「モーニング」。
この雑誌には、僕が毎週、必ず立ち読みする連載がある。
ひとつは、大和田秀樹の「所得倍増伝説!!疾風の勇人」であり、もうひとつは、かわぐちかいじの「ジパング深蒼海流」だ。

「疾風の勇人」は、若き日の池田勇人を主人公にして、敗戦=米軍占領下の日本政治を描いている。調子は講談調というかドタバタ・コメディ風なのだが、今、この時代を描くというのは中々面白いと思う。

今週の号では、米軍のヘリポート建設のために、GHQのブルドーザーが住民たちを強制的に追い立てていくシーンがある。

「あまりに横暴です!!」「これは明らかに人道にもとります!!国連に提訴します!!!」
と訴える日本人の女性に対し
「やれるものならやってみな」「国連に加盟もしとらん被占領民が」
と米兵(MP)が言い放つ。
そうした日本人たちの知らないところで、GHQの内部では米ソの対立が顕在化し、ソ連の北海道への南下の懸念も生じてくる。

吉田茂や池田勇人を英雄として描く本作は、基本的には「保守的」な論調のマンガだ。しかし、昨今の変節した(あるいは「軽い」)「保守」を目の当たりにすると、こうした「昭和(後半)の保守」に、一種の郷愁のようなものを感じないでもない。マンガの「軽さ」とは別に、日本の「戦後」を顧みる機縁ともなるマンガだと感じている。


「ジパング深蒼海流」は、平家物語の時代、源平合戦を描いている。「平家物語」は原文でも読んだが、この作品の中に「日本」の源流というか現代に続く深層を見ようとする作者の歴史眼は間違いの無いものだと思っている。

特に興味深いのは、このマンガにおける女性の描き方だ。
このマンガでは、平家一門を滅びの戦へと導いたのは、「二位の尼」(平清盛の妻)の一存であったことになっている。その鬼気に迫る決意の描き方には、ゾクゾクとさせるものがあった。静御前を弁慶と戦わせたのは創作だが、そのカッコよさにはシビれた。

今週の号では、戦勝に沸く源氏側の中で、冷静に次を読もうとする北条政子が描かれている。

「平家が西海に沈み」「約束した戦なき世の実現に」「峠は越えたな政子」
と源頼朝は言う。しかし、政子は心の中で、
「佐どの(源頼朝)は政事は上手でも女人がどういうものかご存知ない」「建礼門院は今、家も子も失うた」「現世に根を張る女人の思いに」「夢を追う男は到底気づけぬ」
とうそぶく。

日本の男は、日本の女の実力を知らな過ぎると思う。
あいつらは、世界で一番長い寿命を享受しているのである。
独自の文字(平仮名)を発明し、世界で最初の長編小説(源氏物語)を創作した連中である。
歴史的にはわずかな間、輸入した儒教倫理で押さえつけられているフリをしているが、本領を発揮し始めたら大変なことになる。「男尊女卑」なんて言葉は、この国に対する評価としては、歴史の実相を反映していないもののように思われる。少しばかりのGNP成長を見込むために彼女たちを経済の領域に本格的に踏み込ませたら・・・・・・。
なんてことをマンガを読みながら考えてみたりする(笑)。

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