点鬼簿之雑談帖（その63）―大平透氏の訃報

今日は急遽仕事の遅番担当を頼まれ、漸く終わって帰りの電車の中でスマートフォンでその日のニュースを確認してみると。今まさに大事となっている熊本の大地震の直前だったのですが、大平透氏の訃報が。嗚呼……

＜引用開始＞

「ハクション大魔王」「喪黒福造」　声優の大平透さん死去　あのヒーローや悪役も…

アニメ「ハクション大魔王」のハクション大魔王や「笑ゥせぇるすまん」の喪黒福造の声でおなじみの声優、大平透（おおひら・とおる）さんが１２日、肺炎のため、死去した。８６歳だった。葬儀は近親者で済ませた。後日、「お別れの会」を開く予定。

東京都出身。明治大学在学中からラジオアナウンサーとして活動を始め、後に役者に転向。昭和３１年に米国のテレビ映画「スーパーマン」でスーパーマンの声を担当し、低音ボイスで人気を博した。「スパイ大作戦」では「おはようフェルプス君…」で始まる指令テープの声を務めた。映画「スター・ウォーズ」のダース・ベイダーの吹き替えでも有名だ。

テレビでも東映の「戦隊シリーズ」など数作品でナレーションを担当したほか、司会やＣＭなどで活躍した。ハクション大魔王に加え、「笑ゥせぇるすまん」の喪黒福造では「オーッホッホッホ…」という特徴的な高笑いや「ドーン！」という威圧するような呪文が人気を集めた。放送が始まったのは平成元年だが、近年でもウーロン茶のＣＭに喪黒福造が起用されるなど人気が高く、大平さんの声とともに長く親しまれていた。

＜引用終了＞

出典Web:http://www.sankei.com/entertainments/news/160414/ent1604140005-n1.html

記事にも言及がありますが、わたくしがテレビで大平氏の謦咳に接したのは昔懐かしのジョージ・リーヴス版「スーパーマン」でありました。多分わたくしの年代の男性で、餓鬼の時分に風呂敷を首に巻いて、スーパーマンごっごをやらなかった人はいないだろう、と思います。

「弾丸よりも速く、力は機関車よりも強く、高いビルなどひとっ飛び」と云うナレーションと、バックに流れる音楽を聞いて、わくわくしなかった男の子は（テレビを見られる子、と云う条件付きかも知れませんが）、これもまたいなかったのでは。そして同時に、スーパーマンの声を吹替えていた、大平さんの声にシビレタものでした（それだけに、『ドクター・スランプ』の「梅干し食べてスッパマン」の、「高い数の子などひとっ飛び」と云うフレーズは、ツボに嵌ったものですが、それはさておき）。

記事に言及のない所では、懐かしの『マグマ大使』の敵役のゴア、の声でありますね。実際にゴアのぬいぐるみの中に入って、声を担当したと云うエピソードは、特撮ファンなら知らぬ者はない程有名な話では。

物心付いてから此の方、ほぼ切れ目なくその謦咳に接して来た方の訃報に接し、尋常でない寂しさを覚える事を禁じ得ません。謹んで故人の御冥福を御祈りすると共に、これ迄の御活躍に心から御礼申し上げたい、と思う次第です。