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2015年11月24日23:58

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新譜之雑談帖(その241)―モートン・グールド/シカゴ交響楽団録音集成(6CD)

モートン・グールドは作曲家・指揮者としてそれなりに名前を知られた人でしたが、悲しいかな音楽的な方向性が共通していた、才人バーンスタイン(活動時期も殆ど被っていますし)の陰に隠れた形になって、今日現役盤として現在流通している音盤は少ない様で。そんなモートン・グールドがシカゴ交響楽団と残した全録音集が発売される、との告知が。一瞬期待したのですが、詳細が明らかになってみると、大きな勘違いをしていた事が。嗚呼……

以下、某塔音盤店サイトに掲げられていた、6枚のCDの内訳を張り付けてみますと。

【Disc1】
モートン・グールド:『管弦楽のためのスピリチュアルス』, コープランド:『舞踏交響曲』
[録音:1965年2月, 原盤番号:LSC-2850]

【Disc2】
アイヴズ:『「アメリカ」の主題による変奏曲』『交響曲第1番ニ短調』
[録音:1966年1月, 1965年11月, 原盤番号:LSC-2893]

【Disc3】
チャイコフスキー:『「眠れる森の美女」〜ワルツ』『「弦楽セレナーデ」〜ワルツ』『「くるみ割り人形」〜花のワルツ, 終幕のワルツとアポテオーズ』『「白鳥の湖」〜ワルツ, 小品円舞曲, 白鳥のワルツ』『「交響曲第5番ホ短調」〜第3楽章:ワルツ』『歌劇「エフゲニー・オネーギン」〜ワルツ』
[録音:1965年11月, 1966年1月, 原盤番号:LSC-2890]

【Disc4】
ニールセン:『クラリネット協奏曲Op.57』『交響曲第2番「四つの気質」Op.16』〜ベニー・グッドマン(クラリネット)
[録音:1966年6月, 原盤番号:LSC-2920]

【Disc5】
アイヴズ:『交響曲第2番』『コネチカット州レディングのパットナム将軍の野営地』『ロバート・ブラウニング序曲』
[録音:1967年2月, 原盤番号:LSC-2959]

【Disc6】
R=コルサコフ:『交響曲第2番「アンタール」Op.9』, ミャスコフスキー:『交響曲第21番嬰ヘ短調Op.51』
[録音:1968年1月, 原盤番号:LSC-3022]

わたくしが何を勘違いしていたか、と申しますとこの指揮者、結構『彼のオーケストラ』を指揮しての録音が多いのですが、この彼のオーケストラとは、契約の関係で名前が名乗れなかった、シカゴ交響楽団の事かな、との勘違い。この人の指揮(『彼のオーケストラ』を指揮しても)の演奏の中には、コープランドの『ビリー・ザ・キッド』やグローフェの『グランド・キャニオン』等、一度は聴いてみたいと思っている録音が。

そしてわたくしの世代であれば、故淀川長治氏の「それでは、次週をお楽しみに。サイナラ、サイナラ、サイナラ」の名科白と切っても切れない、日曜洋画劇場のエンディング・テーマ、コール・ポーターの"Soin Love"の編曲。これがそれこそラフマニノフ風のピアノ協奏曲を連想させる様な絶品。嘗てはレコード芸術の読者相談室の様な場で、何年かに一度「あの日曜洋画劇場のエンディング・テーマは」と云う質問が上がっていた程。某中村紘子氏も、名だたる作曲家のピアノ協奏曲と思っていた時期があったそうで。
遺憾ながら、これはモノラル録音なのだそうですが、今回のシカゴ今日今日楽団、即ち「彼のオーケストラ」ならば、或いは含まれるのでは、と大きな勘違いをして、勝手に妄想を膨らませていた次第。

収録曲目の詳細を見ると、頗る付きで渋いので、ちょっとホイホイと購入する気にはならないのですが(あくまでわたくし個人としましては。かなり長い間御蔵入りしていた録音もある様なので、そっち方面が御好きな方は、きっと随喜の涙を流しているのでありましょう)、可能であれば、「彼のオーケストラ」との録音集成も出して貰えないものですかねえ。"So in Love"が含まれるなら(国内盤で出た事があるのは知っているのですが)、万難を排してでも購入するんだがなあ……
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