ウィルヘルム・ケンプは、少し前にDGからCDにして80枚になる録音集成が出て居りまして。またAPRというレーベルからも、戦前のSP復刻盤が発売されて居ります。昔からの音盤道楽ぢぢいとしましては、英デッカにも(国内盤ではMZの番号を振られたLPレコードが出ていた)録音があった筈なのに、デッカは何もアクションは起こさないのかな、とちょっと不思議に思って居りました。
そんな音盤道楽ぢぢいの心の声が聞こえた筈もないのですが、英デッカの復刻盤レーベル的存在である、豪Eroquenceからケンプのデッカ録音の録音集成を出す、との告知が。今回デッカへの録音集成が出るので、ちょっと意外だったのがその録音数。CDにして13枚、というのは録音された期間(1949年〜1958年、その他1961年の実況録音あり)を考えると、かなり多いのではないか、と。
戦後はデッカ専属だったバックハウスが、ケンプのデッカ録音機関より10程後迄録音を行っていて、録音数はCDにして36枚。バックハウスはステレオ時代になってベートーヴェンのピアノ協奏曲全集、ピアノソナタ全集(ハンマーグラヴィアだけは再録音が叶いませんでしたが)を拵えている事を考えると、中々の数ではないか、と思う次第。
この辺り迄手を出して、果たして聴き通すだけの時間を確保できるかという事を考えると、流石に未聴盤の山がちっとも減らない現状を鑑みるに(只のオバカ)、手を出そうとは流石に。それにしても戦後の独逸のピアニスト界は、60年代まではケンプとバックハウスで回っていたのだなあ(他にいなかったからかも知れませんが)、と今更ながら思う次第です。
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