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2020年08月24日21:06

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ラブ&ピース アンド 極道大戦争

そう言えば三池崇史、むかしSPEED主演の映画も撮ってたよな。Girls2が主題曲を歌うとなれば、ペンライトとサイリュームと懐中電気と赤ちょうちんをもって劇場に行かなければならぬ。



いきなり、久しぶりに観たくなった。この2本。


『ラブ&ピース』
製作費かかってるな。その4分の1はきっと西田敏行のギャラだろうから、総製作費は500億円ぐらいだろうか。過去に書いたラブ&ピース考察、寺島裕子の息遣い、って、寺島裕子って誰だ?と思ったけれど、そういうことなのか。恐ろしくもときめくものをラストには感じなかったが、前回のときの私の方が感受性があったのだろう、言われてみれば、そうである。今回はいつもの園子音のように社会メッセージ的なもの、教祖の誕生はこういうものか、と思ったりする。ティムバートンもどきも今回は許してしまう。なぜなら、この作品で語られるように、この世は世界のパスティーシュなのであるから。そうしたシミレーショニズムがイシューとして在るのは、意味不明性を追求する三池崇史とは違う園の石頭なセンス、でもきっとそうなんだと楽しめる。椹木系の戦争論、後美術論、チンポムのピカドンに感化されたのか、或いは園子音自身のもち続ける問題提起の形なのか、あのーそのー、その同時代性なのかな。でも、今回はピカドン忘れない、という歌詞はなにか心に突き刺さってくる。


『極道大戦争』
柳楽優弥もカメレオンのようなセンスしてるな、と思うけれど、市原隼人もそれできそうなような気がするんだけど、あとひとつ、両性具有とか性を超越しているキャラは無理でもおっさんずラブでもいいけどカマやシーメールの役をやったら、ホントのカメレオンになれるのではないか、と思ってしまう。テレをとってしまったらスゴいんじゃないかな。おもしろかった、この作品。意味不明性の作品だけど、ハナシ的には、お前らヤクザになれよ、怖いものなし、ってのと、そもそもお前らヤクザだろう、と本質ついてるところからーの、ヤクザにもヒトにもなれない半端者はココロはもってて、オタクも海外も天災もぶっ潰す、的なエナジーのもの、なんだろう。北野武や黒沢清や是枝裕和の3Kと違って、デジタルネイティヴには刺激的な、園子音も三池崇史も実はモダニティーとかではなく、昭和の辛気臭さや切なさがあるのが、彼ららしいな、と思えるのである。カエルが怒ってまわりのものをぶっ壊すけど、憤り的なものを映画のリズムを壊してまでも入れ込んでしまうのが、大作映画でのソフィスティケーションされる三池とは違っていて、これぞ、と思う。ヒトの日常を捉え表している。ラストの打ち合いも、デッドオアアライブの哀川翔と竹内力の合体と同じような精神性に思え、そのとき一緒に見ていた母は、おもしろくないねー、と言い出し、ラストのヴァンパイアになって飛んでいく市川も、母は放られたような感じと言ってたが、なるほど、過去の三池節がここにあるなと思うけれど、そんなことどうでもいい方から考えれば、マスターベーションとは言わないまでも、言いたいこと言い放しではあるように見えるとは思う、この作品。不動や過去の作品にすらなかった、オーディエンスを置きっぱなし置き去りにするものあるけれど、でも、あのときの三池ファンからすれば、このエナジーよかった。辛気臭く、切なく、したい放題が三池さんらしく思う。

極道大戦争ぴーえす
闘いを知らせるゴング、成海のドラがよかった。彼女は前半、切なく哀しく痛々しく昭和枯れすすきにして愛と死をみつめてのような存在として在り、途中、そういえば、成海どこ行ったんだ?と気づかせられるぐらい、いきなりいなくなり、そして最後の最後に、あなた行かないで、か、もう闘いはやめにして、かなにかクリシェなことを言って、ついにはドラを叩く。三池はいつものように、男同士の赤い褌で結ばれた絆にしか興味がないのであり、成海はただのイロモノとしてしか存在しない。それでもやはり、あのドラは、笑いを誘いながらも、とても印象深いものがある。ドラマである。三池はお約束事を厳守する。映画的機能を徹底的に起動させている。




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