『
コレット』
これも昨年見落とした作品。
もうコロナのせい(?)で、一年遅れが気にならない。(苦笑)
フランスの作家シドニー=ガブリエル・コレットの伝記ドラマ。
保守的だった19世紀末に自立した生き方の先駆者となった女性の物語。
善き夫に嫁ぐことが女性の幸せであり、また男性の力なくして生きられなかった時代に自らの文才で道を開く。
今なお男女平等とは言えない世の中だが、比較にならない性差別が横行している中でコレットの生き辛さが伝わる。
文才があるのを夫に評価されたはいいが、それはゴーストライターという新たな搾取のはじまりに過ぎなかったという不幸。
『天才作家の妻 40年目の真実』のような作品が続けて製作されたのは偶然でもあるまい。
正当な評価を受けたいと誰しもが思うはず。
自分らしい生き方とは…、という哲学的なテーマの片鱗を見る。
やがて自分らしさの追求は“真実の愛”への目覚めを呼び起こすのも当然のことか。
夫の描き方に深みを感じないために型通りに感じるが、美術セット・衣装など世紀末アートの魅力やキーラ・ナイトレイの美しさもあり眼福のひと時を得る。
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