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2019年10月26日16:50

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「ザ・レセプショニスト」〜 在倫敦悲哀的台湾人

ロンドン在住の若き台湾人女性監督ジェニー・ルー長編第一作。ロンドンの片隅で非合法な風俗業に従事するアジア人女性のリアル。主人公ティナに日本人受けしそうな顔立ちの新星テレサ・デイリー。同業者先輩にツァイ・ミンリャン作品の常連チェン・シャンチー、ティナの恋人役に「ノーザン・ソウル」のジョシュ・ホワイトハウスという興味深いキャスティング。英・台の合作。

若き台湾人女性ティナがロンドンでようやく見つけた仕事、それは台湾人中年女性リリーが非合法に営む住宅街一軒家での風俗マッサージ。もちろん最初は拒んだが、職務は受付(←映画タイトル)と雑用だけとのこと、生活のかかったティナは恋人にウソをついて受け入れる。そこには色欲とカネそして暴力と隣り合わせの日々を過ごす、アジア人移民女性たちがうごめいていた。

こんな陰鬱で哀しげなロンドンは初めて見た。いやそもそもロンドンという街はいつもどんよりとしているが、視覚的(舞台が風俗マッサージゆえに昼間でもカーテンは閉じている)にも心象表現的にもスクリーンはずっと暗いまま、ティナが雨の日にロンドンの名所をバスで巡るシーンがあるが、著名な建造物はどこもかしこも重たく沈んだ空気をまとっている。

ルー監督の友人の悲劇的経験に基づく物語というから、変態的行為を要求する顧客のふるまいなどもリアル。観る側はやりきれなさと哀れみを感じたままほとんどの時をスクリーンと対峙することになる。これからの日本そして日本人にとってはけっしてひとごととは言えない移民の問題。はたしてティナの先にはひと筋の光が待っているのだろうか。
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