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2024年05月24日16:30

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「関心領域」〜隣りの青い芝生

1945年、アウシュビッツ収容所から壁一枚隔てた邸宅で穏やかな日常をおくる収容所所長とその一家(夫人役に「落下の解剖学」のサンドラ・ヒュラー)。陽光きらめくもと、青い芝生に囲まれながらプール遊びに興じる子どもたち。いっぽう壁の向こうからはときおり不穏な音が響き、やがては煙突からどす黒い煙がたなびいていく…。

目の前で動く対象よりも、そこに見えていないものに思いを巡らせる…言うまでもなく観る側の想像力が試される105分。過去に何度となく映画作品の題材となったホロコーストもののいわば応用編。なのでアウシュビッツに関する予備知識の多寡が、ひとつひとつのカットやセリフがもたらす味わいを左右することになるのかも。

想像力も予備知識も欠如しているこちらとしては、正直なところ退屈と戦う作品となってしまった。言い訳にはしたくないけど、この程度の表現にはついてこいとでも言いたげな、作り手側の上から目線も感じてしまった。場面単位では登場人物に感情移入できるものの、作品全体でのつながりをうまく味わえなかったということです。

米・英・ポーランド合作は世界の各映画賞を総なめ、米アカデミー賞では音響賞にも。基本的には不気味な静寂が全体を貫いているものの、いったん音が響いたときの衝撃は相当なもの。あと大胆に色合いを変化させたり、シンメトリーなアングルを多用したり、視覚効果賞にもふさわしい作品ではないかと思いました。
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