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2019年08月21日23:58

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新譜之雑談帖(その592)―ピエール・モントゥー デッカ録音全集(24CD)

英デッカは、戦後派の会社でありながら、所謂巨匠たちの録音を沢山残して居りまして。これまでも色々な形で、そうした演奏家の録音の御蔵出しをしてくれて、大いに有難いのではありますが。只、この会社の欠点は、じゃんけんでいう後出しを得意技(?)にしている事、でありまして。一度ボックス・セットを拵えて、暫くするとそのボックス・セットに未収録の録音を加えたセットをまたまた発売する、というわたくしの様な昔の録音マンセーぢぢいと取りましては、ある意味不倶戴天の会社(大袈裟)。
 
尤も仔細に検討してみると、同じデッカでも別の国の子会社(或いは系列会社、ユニバーサル・イタリー、であるとか豪州エロクエンスであるとか)で出していて、その後英国の本家本元のデッカから、というパターンの様で。御蔵出しをして貰って、文句を垂れる筋合いではないのかも知れませんが、もうちょっとその辺り配慮してくれても、と思う事しきり。

3年程前になりますが、ユニバーサル・イタリーから『ピエール・モントゥー デッカ・レコーディングス』という、20枚組セットのボックスが発売になった事がありました。わたくし、度々申し上げて居ります様に、モントゥーという指揮者は御贔屓指揮者の一人でありまして。長年入手を果たせなかった、旧フィリップスへ録音した、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮してのベートヴェンの英雄交響曲及びそのリハーサル、同じくフィリップスへ録音したブラームスの第2交響曲の輸入盤が再発されるのを、それこそ一日千秋の思いで待ち続け。

前者がVeniasというヒストリカル・レーベルから、後者が豪エロクエンスから発売され、本家本元のデッカからではないものの、うだうだ言っていては入手の機会を永久に失うのでは、という恐怖(大袈裟)から、つい求めて仕舞って―幸い音質的には、十分満足のいくものだったので、大いに満足したのでありますが。それがこの録音集成に収録されているのを見て、やあ少し早まったかなあ、それでもまあユニバーサル・イタリーなので、本家本元からの発売でない点では、そう後悔の念に駆られる事もあるまい、と自らを慰めていたら。

なんと本家本元のデッカより、デッカ録音全集と称して、24枚組の録音集成を出す、というではありませんか(英語のタイトルには、わたくしがからきし弱い、悪魔のCompleteという文字が)。しかも今回は、これまで世に出ていなかった、ラヴェルの『ダフニスとクロエ』のリハーサル録音を収録している、ではありませんか。全く、なんてこったい。

改めて購入を検討する程の財政的余裕もありませんし、現在蔵しているVenias、豪エロクエンスの音質には満足はしているので、気にしなければ良いのでありますが、それでもわたくしに取っては悪魔の禁句に等しい(大袈裟)“Complete”の文字が。

もう少し御蔵出しの順番を考えて貰えませんかねえ。
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