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2019年07月05日23:57

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歴史之雑談帖(その233)―螺鈿紫檀五絃琵琶の複製品

正倉院に伝わる螺鈿紫檀五絃琵琶と言えば、世界で唯一現存する五弦の琵琶。此処でも何度も記している様に、わたくしこの実物が拝みたくて、20年程秋の正倉院展に通いまして。無論漆胡瓶ですとか、青瑠璃杯、白瑠璃拝等、見るべきお宝は沢山あるので、五弦琵琶が出展されなくても足を運ぶ価値は十分にあるのは、言う迄もない所。

只、他の有名どころの宝物は長年通ううちに二度、三度拝む事が出来たものもありますが、五弦琵琶だけは中々は拝観が叶わず。それが漸く叶って、実物を見た時は大いに感動を覚えたものでした。

この程、その五弦琵琶の模造品(ちょっと言葉のイメージが良くありませんが、要はレプリカでありますね)が拵えられ、展示が行われるそうです。

<引用開始>

正倉院宝物「螺鈿紫檀五絃琵琶」の模造品が完成

奈良・正倉院の代表的宝物として知られる「螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)」の模造品が完成し、宮内庁正倉院事務所が発表した。皇居・東御苑にある三の丸尚蔵館で、13日〜9月1日に開かれる企画展で公開される。螺鈿紫檀五絃琵琶は奈良時代、光明皇后が東大寺大仏に献納した聖武天皇ゆかりの品で、世界に現存する唯一の五絃琵琶として名高い。

模造品は全長108センチ、幅30・9センチ、重さ約4・6キロ。1300年前の音色に迫るべく、漆工芸家で人間国宝の北村昭斎さん(81)らが平成23年度から製作に着手した。入手困難な紫檀材や玳瑁(たいまい)=鼈甲(べっこう)=などの材料は、国内の備蓄品から調達。上皇后さまが育てられた蚕「小石丸」の繭の糸で絃も復元し、8年がかりできらびやかな品が完成した。北村さんは「苦労して素材を集めてもらった。当初に近いものに仕上がったのでは」と話している。

<引用終了>

出典Web:https://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/190705/lif19070520460027-n1.html

こうしたレプリカは、オリジナルが作成された当時、どのような姿であったかを彷彿とさせる、という点で価値が高い、とわたくしは思います。そもそもわたくしが正倉院の宝物に強い関心を抱く様になったのが、確か中学生の頃に某国営放送で見た、箜篌のレプリカ作成の過程を紹介する番組を見たのがきっかけ。バラバラの残骸、と云った方が相応しい現存品から、当時の文献や、同時代の中国の絵画等に当たるなど(日本には箜篌を描いた、当時の絵画は存在していないので)、色々な手段を駆使してレプリカを作成するプロセスに、すげえなあと大いに感心した事を覚えて居ります。

展示会もある様ですから、これは観に行かねばなりますまい。本家本元の正倉院展にも、足を運びたい所なのですが、丁度五弦琵琶が展示された会の少し前から、某読売新聞が協賛に加わった所為もあって、激混みに。

それまでも会場の奈良国立博物館別館の建物が狭い事もあって、結構会場内は混雑していましたが、有難い事に別館の建物が増築され、随分混雑が緩和されて喜んでいたのも束の間。読売新聞が協賛に名を連ねてから、というもの入場に何十分待ち、という様相を呈する様になりまして。わたくし時間待ちの行列が何よりも嫌い、という我儘ぢぢい―朝四時起きをして、始発の新幹線に乗って、朝9時少し過ぎについて、それで1時間だ2時間だ、と立ちん坊をさせられるはねえ。何も時間とお金を使って、行列に並ぶ事を目的にしている訳じゃあありませんから―なので、暫く足が遠のいております。レプリカの方は、展示会の会期も長い様なので、そんなに混雑する事はなさそうですが、日程を押さえておかないと気が付いた時には終わっていた、では洒落になりませんからね。



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