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2018年12月16日23:47

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新譜之雑談帖(その530)―サン=サーンス『動物の謝肉祭』イゴーリ・マルケヴィッチ/フィルハーモニア管弦楽団

東京エムブラスが日本の窓口となった御蔭で、仏蘭西の音楽雑誌ディアパゾン誌のチョイスによる、音盤が色々出回る様になって、中々賑やかになりつつあります。ライセンスの問題もあって、全部が全部仏蘭西人の感性を十全に反映している、と迄は言えないかも知れませんが、中々チョイスが面白くて関心する事もしばしば。

この程御国のサン=サーンスの有名曲である、『動物の謝肉祭』の音盤を出すにあたって、ディアパゾンが選んだのはマルケヴィッチ/フィルハーモニア管弦楽団のモノラル録音盤。昔々、小学校の音楽鑑賞の時間でこの曲を初めて聴いたわたくしは、昨今の流行りの(名手を揃えての、でありますが)室内楽的な演奏よりは、堂々の管弦楽団による演奏が好みに合いますね。

マルケヴィッチの『動物の謝肉祭』の演奏は、以前旧EMIから出た、マルケヴィッチの録音集成にも収録されているので(実は正直に言うと、この録音集成には収録されていないに違いない、と思い込んで、危うく購入計画を練る所でありました)、手を出す予定はないのでありますが(無論、気が付いた後は、でありますが)、それでも一枚物で入手可能になったのは、大いに慶賀すべき事か、と思います。

最近は古楽器派の悪影響で、従来何も疑問を持たずに、現代の大規模オーケストラで演奏されていた楽曲が、へんにちんまりした編成で演奏されるのが主流となって、甚だ面白くないものが。そりゃあ、編成が小さい方が、録音の経費も安く済みましょうから、レーベルとしてはウェルカムなのでしょうが、時代錯誤を承知で言えば、そんな姑息なやり方に血道を挙げるから、音盤が売れなくなるんじゃ、とひかれ者の小唄的感想を抱く次第。本来の王道を見失っては欲しくないものでありますが、ねえ。
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