《LIVE》一夜限りのフレディ

QUUENトリヴュートバンドの初来日。
売り込みの情報によると、「世界一のそっくりバンド」（自称）がアルゼンチンからやってきて、一夜限りのライブショー。
このニュースを何かで聞きつけ、有無を言わさず予約したのが6月頃の話。
取ったチケットを見ると『０列』で、中野サンプラザではアリーナベースの特等席。
ワイフさんへの面目躍如。
その当日の話


『GOD　SAVE THE　QUEEN　"Don't stop me now"』（サンプラザ中野サンプラザ）★５．
バンド名がGOD　SAVE　THE QUEEN
来日アーチストとしては破格のチケット代6,900円（←安い）。
しかも、珍しいことにサンプラザ前の広場にはダフ屋が2人。
「定価よりも安く譲るよ〜」と、涙目で大量のチケットを手にしている。
どうやら、親分さんが本物のQUEENと間違えてネットで買占めしてしまったようだ。
天網恢恢、疎にして漏らさず。

ロビーに展示されていたMUSIC　LIFEが、「これで勘弁してね感」が漂い物悲しい。
グッズ売り場も協賛のシンコーミュージック提供のQUEEN本とか、QUEENブルーレイ。
これでは親分、だまされても仕方あるまい。

「話題にもなっていないし、ダフ屋も定価割れ。白けた会場かもしれないね」
と、期待感を落とすエクスキューズを伝えながら客席へ向かっていく。
あらかじめ『O列』がアリーナであることを伏せて、ワイフさんに席を探させてみる。

最後方が36列目。
「数字しかないじゃない。オー列って、どこよ」
ずんずんと前のほうに向かっていく。
最前列は列番号がなく、「１」とか「５」とか、席盤だけの表記。
そろそろ種明かし。
2列目に見つけた「３５」を指差し、
「ここだよ」
『O列』のチケットを持った客のほとんどが、ワイフさんのように右往左往したのちに、絶好席を見つけて飛び上がる。そんな雰囲気。

開演時間。
2階席は最前列のみの販売だったようだが、1階後方席はスカスカの図。
親分買占めのシートだろう。
同年代の男子・女子が、QUEENものまねバンドの登場にワクワクして待つ顔と顔がとても朗らか。

生意気にも10分押しのスタート。
外タレLIVEに良くあるじらしだが、おいらにとって時間を守れない連中はクソと同等。
従って、GOD　SAVE　THE　クソQUEENのステージは19時10分に開演した。

QUEENをそれほどでもないおいらでさえ聴いたことのある楽曲がほとんどMCもなく立て続けに演奏されていく。
無名バンドはSNSでの無料宣伝を狙うので、外国のライブのようにフォトフリー、ビデオフリー。
最初は遠慮していた観客も、おいらの大胆な撮影行為を見習ってスマホを取り出して、ニセ・フレディやニセ・ブライアンを撮りまくる。2列目のおいらたち、かなり近い。

隣りのワイフさんときたら、ライブを眺めながら友人たちへのグループLINEを始めやがった。
なぜか郷里（山形）の同級生たちにQUEENファンが多く、LINEを使ってニセライブ実況中継。
最前列の観客たちが後方に気を使ってくれて、絶対にスタンディングだろうというロックな曲でも着席して控えている。
スタンディングでノリノリは、最前列のおばちゃん1名、2列目端っこ2名、そして右手後方の集団。

さすがに業を煮やしたメンバーが"We wlii rock you”でスタンディングを促した。
ようやくオール･スタンディング。

ノリノリなう。

アンコール前の"Bohemian Rhapsody”は、ママミアやガリレオの合唱をナマ唄で披露。
これまでのQUEENコンサートではビデオ上映だったから、これにはワイフさんも大興奮。
と思いきや、スマホを握り締めてビデオ撮影中。
お蔭で熱唱したかったおいらは、口をつぐんで聴いていた。
アンコールでは“We are the chanpion”を日の丸振りながらの披露。
〆て130分。
チケットの売れ行きが影響したのか、ステージの突飛な演出はゼロだったが、ニセQUEENの魅力は十分伝わった。
しかし、ワイフさんとLIVEを観た場合は、ワイフさんの感想がすべて。さて・・・
「楽しかったよ。こんなに楽しめるとはね。ヴォーカルの質はあれだけど、雰囲気が良かったよね」
どうやら、合格点。
これでまた、しばらく遊んで生きていけるなう



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