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2016年12月13日23:59

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新譜之雑談帖(その338)―ハンス・ロスバウトの実況録音盤

此処へ来て、往年の名指揮者であるハンス・ロスバウトの実況録音盤の発売の告知が続いて居ります。生前は現代音楽のエキスパートと見做されていた所為もあってか、或いは本人が左程録音に熱心ではなかったのか。所謂商業ベースの録音で主だった物、と言いますとDGへ入れたシベリウスやハイドン(ボックス・セットで纏められたものは、わたくしも購入して蔵して居りますが)位ではなかったか、と思います。
某親方之声のウェブ・サイトの指揮者名の検索でも、ロスバウトの項はない様でして。その辺がロスバウトの録音に対する世評を示すものではないか、と思いますが(良いにつけ悪いにつけ)、それがまたどうした風の吹き回しなのか。


先ず伊太利亜の"MEMORIES"と云う、実況録音を片っ端から世に出しているレーベルから、マーラーの交響曲集が2組。収録曲目は交響曲第一番・第四番・第五番・第六番、そして第七番・第九番・『大地の歌』と云う、中々渋い選択。マーラーの演奏、と言いますとバーンスタインの録音が必ず筆頭に挙がるケースが多いか、と思います。わたくしは捻くれ者なので、どちらかと言いますとバーンスタイン以外のマーラー演奏が好みでありまして。どちらかと言いますと、ユダヤの血が兎角クローズアップされる事が多いのですが(わたくしもそれを否定する積りはありませんが)、独逸の最後の交響曲作家としての捉え方はもっとあっても良いのではないか、と思う次第。

そういったポジションからすると、ロスバウトの様な独逸系の、しかも現代曲に強かった指揮者によるマーラー演奏、と云うのは大いに興味を掻き立てられる所。しかし、わたくしこの伊太利亜のレーベルは今一つ信頼が置けない気がして、これ迄手を出した事がないのでありますね。しかも当然の事ながらモノラルの実況録音、と云う事ですと、左程熱狂的なマーラー好きではないわたくしとしましては、些か腰が引ける所。

これだけでもへえ、と思っていたら、今度はシェーンベルクの問題作(大袈裟)として知られる『モーゼとアロン』の世界初演時の録音が出る、と云う告知があって一驚を喫しました。よくもまあそんな録音が残っていたものでありますね。わたくしはシェーンベルク好き、でもありませんので(またやまたや)、手を出そうと迄は思いませんが、当代きっての現代音楽の演奏家として知られたロスバウトの演奏、となると幾らかの関心を掻き立てられますね。さて、どんなものなのでしょうか。

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