僕の2016年3月は、北斗夢学院桜組と石川啄木の月であった。
まずは啄木についてだが、以下の2冊を読んだ。
『一握の砂・悲しき玩具』(新潮文庫)
『時代閉塞の現状 食うべき詩』(岩波文庫)
このほかに、関連する本を拾い読みして、啄木のついての概要を知ることが出来た。
そして今、岩波文庫の『啄木歌集』を読んでいる。
僕にとっての啄木は、けっして尊敬できる人物ではない。
多くの、そしてかなり深刻な欠陥を抱えた人間だ。
その欠陥のゆえに、もし彼が僕の身近にいたならば、僕は啄木を遠ざけたかも知れない。
しかし、その才能のゆえに、僕は彼の作品を読み続けてみたいと思う。
今、「才能のゆえに」と書いたが、その「才能」は、僕が嫌う彼の「欠陥」と深く結びついているようにも思われる。
言い換えるならば、彼の「欠陥」は、彼の作品の源泉のうちの一つかも知れない。
26歳で逝った彼の作品は多くはない。
古い改造社版の全集では5冊ほど、比較的新しい筑摩書房の全集でも8冊ほどだ。
読むだけであれば、読みきれてしまう分量だろう。
優れた才能と致命的な欠陥を併せ持った男の作品として、彼の全集を読んでみたいと思っている。
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