シャルル・デュトワは、1996年から2003年迄、NHK交響楽団の常任指揮者を務めていたので、日本でも馴染みの深い世界的指揮者の一人である、と言って差し支えないかと思います。只、手兵と云う捉え方をしますと、1977年から2002年迄常任を務めていた、モントリオール交響楽団でありましょう。
デジタル録音初期から、デッカはこのコンビで相当数の録音を拵えましたが、この程その録音集成(全て、ではないようですが)が発売されるとの告知が。こうしてみると、随分多くの録音があったのでありますね。
と云う発言でお解りの様に、わたくしは実はこのコンビに関しましては、余り関心がありませんでした。
と申しますのは先ず第一に、わたくしはデッカの録音が好みではない事。第二に、当時の音楽雑誌ではこの組み合わせが無闇矢鱈と褒めちぎられる事が多くで―曰く、仏蘭西のオーケストラよりも仏蘭西的、等と―些か食傷気味であった事。第三に、これは全く音楽とは関係のない事でありますが、昔々のその昔、当時のカミサンだったアルゲリッチと犬も食わない夫婦喧嘩をやらかして、アルゲリッチに日本でのコンサートを全てすっぽかす、と云う元凶であった事、でありますね。
第三の理由はどうでも良いのでありますが、わたくし嘗てデュカスの『魔法使いの弟子』の良い録音の演奏を求めた事がありまして。その当時の世評としましては、デュトワ/モントリオールの演奏が宜しい、との事で購入してみました。
デジタル録音ですから録音が悪い訳はないけれど、どうも聴いていて何となく居心地が悪い。演奏も何処がどう悪い、と云う訳ではないけれど、少なくとも仏蘭西のオーケストラより仏蘭西的、とはどうしても思えない。そしてどうもファンタジックな雰囲気が乏しい。
と云う訳で、わたくしはその後デュトワ/モントリオールの演奏を聴く事が殆ど無く、今日に至っている次第。
これだけの録音を残したからには、高い評価あっての事なのでしょうが、わたくしとしましては積極的に聴いてみようと云う気には(今の所は)ならない指揮者でありますね。
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