mixiユーザー(id:5087127)

2015年12月14日23:57

285 view

新譜之雑談帖(その246)―フィリップス録音集成(50CD)

嘗てのメジャー・レーベルの雄であった(と言っても良いか、と思いますが)フィリップスは、某デッカに吸収されて今やロゴすらも新譜・再発盤から姿を消して久しいものがあります(皆デッカのマークが付けられる様になって仕舞いました)。最近ではEMIが同じ憂き目にあっている訳、でありますがまあそれはさておき。

今回久しぶりに懐かしのフィリップス・マークが復活する事となったのは、大いに慶賀に堪えない所(やや大袈裟)。ステレオ時代の録音をCD全50枚に纏めた、中々ごっつい録音集成であります。尤も旧フィリップスの録音集成には、CD60枚に及ぶボザール・トリオの録音集成、同じCD50枚組の小澤征爾の録音集成が既に出ているので、ボリューム的にはそう眼を剥く程のものではない、と言えないことも。

しかし、集められた録音を一瞥してみるに、果たしてこの録音を収める価値が本当にあるのかな、と思わぬものが散見されるのは(わたくしの頗る付きに歪なな音楽上の好みをベースにしているので、余りもっともらいい事は言えませんが)、ちと疑問の残る所。

先ず余りパッとしなかった頃の、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の常任になったばかりの頃のハイティンクの録音を、そう幾つも集めなくても良いのでは、と云う気が。またレイモンド・レパードの録音も、今日この指揮者の演奏を愛好して止まない、と云う音楽好きはそうはいない様な気が。
案外多い様な気がするのはコリン・デイヴィスの録音。確かに悪い指揮者ではないけれど、この時代の録音ならば、ヨッフムがアムステルダム・コンセルトヘボウを指揮した録音をもう少し淹れても良い気がしますね。

個別にあれこれ言っても仕方がないのですが、もうちょっと工夫があっても良い気が。或いはこれは、今回の録音集成の評判が良かったら、続編をだそうと云う深淵謀慮があるのかも(考え過ぎ?)。収録曲からすると、ちょっと手を出したくなる、と迄は行きませんが、ここは懐かしのフィリップス・マークの復活を素直に喜んでおきましょう。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する