さて某親方之声サイトや塔音盤店サイトで発売予告を見て、購入する気満々であったモントゥーの録音集成。収録された録音を仔細に検討してみると、重複する録音もざっと全体の1/3位はありそうですが（アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団とのブラームスの第一・第三交響曲の実況録音、ボストン交響楽団とのフランクの交響曲やチャイコフスキーの後期三大交響曲等）そんな事を言ってはいられない。
何しろ長年入手を夢見て（大袈裟）これまで果たせずに来た、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団とのベートーヴェンの第三交響曲『英雄』、並びにそのリハーサルが漸く輸入盤の音質で聴ける、と云うのでありますから。幸い資金繰りもどうにかなって、発売予告を楽しみにしていた所、こは如何に。
某親方之声では7/25、某塔音盤店では7/31（わたくしは店頭で購入する事しかしないので、勢い塔音盤店での購入になるのですが）との予告だったのに、昨晩確認してみたところ、発売日が7/23となっているではありませぬか。うう、なんてこったい（純粋に驚異）
と云う訳で、会社の業務終了後、早速おっとり刀で秋葉原（会社からの帰り道なので）の塔音盤店へ。しかし此処の所、塔音盤店では発売日を過ぎているのだから、当然店頭に並んでいるだろう、と思っていた音盤のボックス・セットがない、と云う事がちょいちょいあった（リリー・クラウスの録音集成、リリー・ラスキーヌの録音集成、ゲーベルのテレマン作品集等）。果たして如何なものか。ちょっと案じてもいたのですが、こは如何に。今回はちゃんと店頭に鎮座ましましていたのではありました。万歳。無論つべこべ能書きを垂れる間もなく購入。
さて、帰って来まして、先ずはあれ程渇望していた、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団との第三交響曲『英雄』のリハーサル（第二楽章、葬送行進曲）。おお。こ、これは。音質的には全くと言って良い程、不満のないクオリチー（尤も実際に耳にするのは初めて、なので音質が良いか悪いか、は比較の対象が無いのですが）。おお、長年音盤道楽に身をやつして来た功徳があった、と云うもの（飛んでも無い妄想）。
しかし、実際に聴いた事のある録音で、比較してみないと意味が無いのでありまして。と云う訳で、昔々のコンサートホール原盤の、北ドイツ放送交響楽団とのベルリオーズの幻想交響曲を聴いてみる事に。
この録音、モントゥー愛好家なら御存知の様に、モントゥーが他界する年の録音なのでありますが。昔々（こればっか）日本コロンビアから発売されたＬＰレコードを聴いて、頗る落胆した思い出が。ステレオ録音ではあるのですが、何だか曇り硝子越しに景色を眺めている様な、隔靴掻痒の感が先に立って仕舞う録音であったのでありました。
今回、ＣＤ化されたものを聴くのは無論初めて、でありますが（輸入盤で発売された事は無かったか、と記憶していますが、或いはわたくしが知らなかっただけかも知れません）、恐る恐る聴いてみて。おお、なんてこったい（嬉しい驚き）。
無論このボックスに収録されている、デッカやフィリップスを音源とする録音に比べると、遜色は否めませんが、それでも音像はぐっとシャープになり、遥かに聴きやすい音質に仕上がっているのでありました。万歳。
他にウエストミンスター音源の、ベートーヴェンの第九交響曲のリハーサル（並びに余白のラ・マルセイエーズ）も聴いてみましたが、こちらも音質的には改善されている様に（わたくし好みの、輸入盤特有の腰の強い音質）であった様に聴こえました。いやあ、これだけのクオリティなら、文句を付ける筋合いはないな、と思った次第。
しかし、先達てソニー・クラシカルから発売された、モントゥーのＲＣＡへの録音全集も購入しているわたくしとしましては、このボックスを購入した事で、いきなりモントゥーの録音をＣＤにして８０枚超所有する事になった訳で。先程も申し上げましたが、今回のボックスには重複する録音も少なくないので、実数的には其処までは行きませんが、それでも恐らくはＣＤ60枚分の録音を手にして、我ながら云道楽の度合いが過ぎるなあ、と改めて思うのでありました（改めて思う様な事ではない、のでありますが）。
これでこの後、カラヤン／フィルハーモニアの第九交響曲、ストコフスキー大先生の全米青年管弦楽団の録音、コリンズのシベリウス全集、マルティノンとマルケヴィッチの録音集成……と音盤道楽のネタが幾つも転がっているのでありまして。昔流行った言葉を用いるなら「殆ど病気」（いや、もう「完全に病気」と云う方が正しいかも知れませんが）でありますね。嗚呼、情けない……
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