mixiユーザー(id:11939455)

2015年06月01日02:41

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『あん』

あん

 どちらを主人公にして描きたかったのだろう。
直後の感想はこれかも。

 ワケあり店長・千太郎の作るどら焼きに一味加える<餡作り名人>の徳江。
唐突な出会いながら、いつしか<本物の味>は垣根を超える。

 ドリアン助川の同名小説を、河瀬直美がメガホンをとる。
河瀬監督らしく、ゆったりと大らかな流れの日常の中に二人の(いや、常連客のワカナも加えるべきか…)交流が描き出される。自然光撮影も彼女らしい。

 朴訥とした店長役の永瀬正敏も存在感があるし、徳江の友人を演じる市原悦子も魅力ではあるが、徳江を演じる樹木希林の見事さは言葉で形容しがたい。
はたして今の日本映画界でこの人の替えはいるのだろうか?
名人級の芸が見られる喜びとともに不安も膨らむ。

 本作では孫(内田伽羅)との共演も話題となっているが、一日も早く追いつき追い越して欲しいものだ。

 桜の開花など季節にこだわった演出がなされるが、自然相手の読めない要因がある中での撮影は苦労もあったのではないかと推測する。
<餡作り>の難しさにはつい引き込まれて見てしまい、甘党なら確実にどら焼きが食べたくなる!(笑)

 メイン二人にはそれぞれ隠された過去がある。
テーマの重さでは徳江に比重があるように思うので彼女が主人公なんだろうが、それならば<このラスト>はどうだろうと首をひねる。
徳江の受けた差別や不条理なことへの清算は十分なされているのか?
その代弁者として千太郎はバトンを受けたのではないか…と思ったのだが、聞き役で終わってしまった印象も否めない。
そしてワカナの問題もするりと抜けてしまった気がする。

 せめてオーナーから無理難題吹っかけられた後、ワンシーン描写しておくべきではなかったろうか。
社会問題を取り上げているのはいいと思うが、解決は甘さ控えめにしてもらいたい。

フォト



 ところで、これを見たのは地震があった日。
電車に乗っていたので揺れにはアナウンスで気がついた次第。あせあせ
それはともかく動かない…。

 余裕をもって出たのに間に合うか時計とにらめっこ。
仕方ないとはいえ動き出してからもノロノロ運行。電車
結果的にはギリギリで滑り込みセーフ…。
この日ほど上映前の予告編の長さに感謝したことはないかも…(笑)。
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